【帝都怪奇浪漫画報】15話更新のお知らせ
明治時代文豪×オカルトのオリジナルノベルシリーズ『帝都怪奇浪漫画報』の本編第15話を更新しました。今回から『殺人鬼のアノニマス篇』開始です。
例の如く、どれも更新内容は同じです。お好きなところでお読みください。
ブクマ、応援コメントなどありがとうございます！
NOVEL DAYSの方は、登場人物紹介ページに人気投票的なのがついているので、お好きなキャラに投票してくださればキャラ人気の参考にいたします～。（今後キャラグッズを作る際や、イベントや通販特典＆特設サイト掲載ＳＳ登場キャラなどに反映する予定です）
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さて、ここからは恒例の史実語りです。
毎度のことですが、自己解釈に満ちていますので史実資料を参考にしただけの強めの幻覚だと思ってください。個人の幻覚ですからね！！！
さて、第２部は都市伝説的なお話だったので、第３部は怪奇でちょっと怖い方向に振ってみようと、殺人鬼ネタでございます。元ネタになっている青ゲットの殺人についてはまた後日語るといたしまして、今回は新キャラについて語ってみようかと思います。
作中で独歩さんが何かにつけて文句をつけている『紅露』というのは、当時流行作家の二代巨塔であった尾崎紅葉・幸田露伴の全盛期でございます。
当時は、作家も徒弟制度のようなものがありました。幸田露伴は、そういったものは好まず弟子はとらない主義だったようですが、尾崎紅葉は積極的に弟子をとっていました。
ということで、当時人気絶頂であった尾崎紅葉の元にはたくさんの弟子希望者が押し寄せることになります。人気作家といっても、尾崎紅葉は割と夭折の作家でありますので（享年35歳）弟子もほぼ同年代の方が多かったようですね。
実は田山花袋も尾崎紅葉の門徒を叩いた一人であり、彼は自分の元よりも適した師がいるだろう、ということで江見先生のところに師事した……というのが作中でも書いているエピソードです。
ちなみに、尾崎先生には機嫌を損ねたのか途中から会ってもらえないことが多くなったそうです……。まぁ、弟子いっぱいいますから、全員とは上手くいかないよね、うん。
尾崎紅葉門下の中でも、四天王と呼ばれていたのが泉鏡花、小栗風葉、柳川春葉、そして徳田秋聲（秋声とも書きます）です。
この中でぶっちぎりの人気作家だったのが泉鏡花。
この中でぶっちぎりの地味作家だったのが徳田秋聲です！
いや、こんなこと言ったら失礼にあたるのですが、割とご本人も認めていらっしゃるというか、元々徳田秋聲は、戯曲的で派手な作風の尾崎門下（硯友社の作家）の中でも、自然主義的な淡々とした作風なのです。
幻想！怪奇！の泉鏡花と比べたら、それは地味に思われてもまぁ仕方ねえな！というやつです。
この二人、同郷の出身（金沢）なのですが、故郷にいた頃はさほど縁がなく、尾崎門下になってから交友が始まります。
徳田くんは最初は尾崎紅葉に「君はうちにくるにはまだ早いね（意訳）」的なことを言われて、そでにされてしまいます。この時、玄関番をしていたのは泉鏡花だったそうです。
しかし、働きながら文士の道を諦めずにコツコツ頑張っていた徳田君を、尾崎門下に迎えに行ったのも、泉鏡花でした。
こう書くとなんだか運命的で仲がよさそうなのですが、小説内での尾崎紅葉（をモデルとした登場人物）の描写でケンカして仲たがいをしたり、それとなくツンデレっぽい和解をしたり、ツンデレっぽい和解の仕方をしたせいで周囲に和解したことが理解されていなかったり、何か結局仲がいいのか悪いのかどっちなんだ君たち！という関係のお二人です。
まぁ、この辺は、尾崎紅葉の後継者的な立ち位置であった泉鏡花と、後に尾崎一門の作風とは対極をなす自然主義の大家になっていった徳田秋聲の、作風の違いゆえに表だって交友することがはばかられた（文壇的には対立する派閥なので）という事情もあるかと思います。
ちなみに、泉鏡花の記念館と、徳田秋聲の記念館は、ツイッターで仲良くケンカする間柄なので、気になった方はぜひツイッターを覗いてみてください。
結局、君たち仲良いの、悪いの？どっちなの？（記念館までツンデレすぎる）
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