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【帝都怪奇浪漫画報】16話更新のお知らせ

明治時代文豪×オカルトのオリジナルノベルシリーズ『帝都怪奇浪漫画報』の本編第16話更新です。更新に間が空いてしまって申し訳ない。

>>NOVEL DAYS 『帝都怪奇浪漫画報』

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>>Pixiv文芸『帝都怪奇浪漫画報』シリーズ一覧

例の如く、どれも更新内容は同じです。お好きなところでお読みください。

ブクマ、応援コメントなどありがとうございます!

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さて、ここからは恒例の史実語りです。

毎度のことですが、自己解釈です。個人の解釈です史実資料を参考にしただけの強めの幻覚だと思ってください。個人の幻覚は必ずしも真実の担保になりませんよ!!!


今回、出てきた「青ゲット殺人事件」ですが、これは実際に明治時代に福井県で起こった事件です。

令和時代になる今にいたるまで、未解決事件となっています。言ってしまえば、日本版の切り裂きジャックのようなもんですね。

青ゲット=青いブランケット。青い毛布を頭に被った男が犯人である、という以外に犯人の手がかりがなく、真相は謎に包まれています。

「ゲット」は毛布と訳されていますが、現在でいうところの大判ストールのような使われ方をしていました。羽織り物だったんですね。だから青ゲットも青い色をした毛織りの羽織り物ということです。

ちなみに田舎から帝都に出る人は、よく赤いゲットを羽織っていたようで「赤ゲット=田舎者」というスラングがあったようです。許してやれよ、東京の冬は意外と寒いんだよ。

青ゲット殺人事件は、青ゲットを頭からすっぽり被った男が、猛吹雪の中、とある問屋を訪ねたところから始まります。

隣村の親戚が病気になったから来てくれ、と番頭の村吉を呼び出しました。

そして青ゲットの男は、村吉の自宅に現れて、村吉の母、村吉の妻も連れ出しました。隣家に預けられており隣家の奥さんから不審に思って連れて行くことを拒否された次女、子守で不在だったもう一人の長女はたすかりました。

翌朝、隣村に向かう途中の橋で、大量の血痕が見付かりました。川からは村吉の母と妻の遺体が見つかりました。しかし、最初に連れ出された村吉だけはついぞ見つかりませんでした。

そして、隣村には病気の親戚はおらず、親戚の話は一家の人間を連れ出すために青ゲットがついた嘘であることが判明しました。

この事件で奇妙なのは、少なくとも村吉の母と妻に関しては一度に二人呼び出すことができたはずですが、犯人は一人ずつ呼び出しています。

一人ずつ殺したということですね。

猛吹雪という、目撃者の少ない状況で、しかも一人ずつ殺している。村吉だけが見つからない。そして村吉の家族が狙われているものの、村吉には怨恨を抱かれるような悪い噂はひとつもなく、金銭にも手をつけられていません。死体の見つからなかった村吉自身が犯人である説もありましたが、問屋に尋ねてきた男の説明がつきませんし、橋の上に残された血痕は村吉の分もあったとされています。

一人ずつしか殺せなかったとしても、わざわざ同じ家に何度も一人ずつ呼びに行くのは不自然です。犯人像が全く見えない、何とも不可解な事件ですね。

自分が犯人だと名乗り出るものもあったそうですが、状況的に真犯人ではないとされ、結局未解決のまま時効を迎えました。

この『青ゲットの殺人事件』は明治三十九年の事件ですので、帝都の時系列である明治三十年にはまだ起こってもいないことになりますが、そこはフィクションですので大目にみてください。

徳田秋聲、泉鏡花という二人の金沢出身文豪が登場しておりますので、金沢に近い福井のミステリアスな事件を題材にした次第です。

いやしかし、結構な事件なのに割とマイナーなんですよね、青ゲット事件。

物証などを使った再捜査などもされていませんし、明治時代といえばまだその辺で喧嘩の殴り合いが起こって人が死ぬ、ということも珍しくない時代でしたから、政治的な事件以外はイマイチ印象が薄いのかもしれません。明治時代の有名な事件って、大体政治絡みだもんな……。

ところで、泉鏡花さんの潔癖症ランプ炙り癖と、徳田秋聲さんの地味地味キャラ、某ゲームと被るのでどうしようかと思いつつ、割と史実のご本人様に忠実な部分でもあるので、そのまま採用しました。

帝都シリーズにおいては一応、ある程度史実準拠でキャラ造形をしたい(あくまでフィクションですが、元ネタを知っている人にフフッと思ってもらえる程度には史実を取り込みたい)というコンセプトで製作しているので、ネタ被りは仕様です。

泉鏡花から潔癖症とうさぎ好きと尾崎紅葉崇拝とったら、なんか完全に別人みたいになるし……。

徳田秋聲が地味じゃないかっていえば、地味だと思うんですよね。

著作ちゃんと読みましたよごめんね秋聲先生。

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