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【ローマ留学・滞在許可証】第一回招集日は日本帰国後!!カオスな申請手続き!!

イタリア留学の最大の難関の一つ、滞在許可証の申請。
さて、コロナも落ち着き、人の往来が増えてきた大都会ローマで、新学期の9月に滞在許可証を申請するとどうなるのか。結論から言うと、私が1年間の留学中に滞在許可証を手にすることは恐らく不可能でしょう。他の都市とは一味違う、ローマならではの苦労をお教えしましょう。


イタリア・滞在許可証とは

イタリアの滞在許可証(伊【Permesso di Soggiorno】英【Permit of Stay】)とは、イタリアに3か月以上滞在する非EU圏の外国人が申請・所有しなければならない身分証明書です。たとえ留学ビザがあろうとも、現地で滞在許可証を申請しなければ不法滞在者となってしまいます。
取得プロセスは、

①入国から8日以内に郵便局で申請用紙を提出する。
待つ
②指定された日に警察署に行って、指紋登録などを行う。
待つ
③滞在許可証(カード)を受け取る

です。私は①と②の間の「待ち時間」が9ヶ月越えでした。③にたどり着くまで何か月かかるのか…。

KITはどこも在庫切れ

滞在許可証の申請は、申請用紙や振込用紙が諸々入った黄色い封筒、通称【Yellow Kit】を郵便局の窓口で入手するところから始まります。ただ郵便局に行って貰えれば良いのですが、年度初めの9月は多くの留学生や就業者がローマに上京してくるので、駅前や大学、観光地近くの郵便局ではKITは在庫切れになりがちです。
在庫がある郵便局を探すには、留学生が繋がるグループチャット(7~8月頃にESN Roma LUISS主催のテレグラムグループに大学Gmail経由で招待されるはず)で尋ねるのがおススメです。「郵便局に行ったけどKITが在庫切れだった。誰か、KITを入手できた人はどこの郵便局に行ったか教えて!」「さっきここに行ったらあったよ!」というメッセージが絶えず飛び交い、情報が更新されていきます。
私はこれを参考に、9月5日にこの郵便局でKITを入手しました(ちなみに、この郵便局から徒歩10分強のところに日本大使館があります)。

日本の郵便局と同じような番号札を取る機械があったので、よくわからないけど取り合えず番号を発行し、20分ほど待ちました。窓口が正しかったとは思えませんが、「滞在許可証用のKITをください」と職員さんに伝えたら快く渡してくれました。友人曰く英語でもOKだったらしい。
穴場スポットかと思われたここも、9月7日ごろにはもう在庫切れになってしまい、9月15日頃からKITを探し始めた友人は半日以上かけて10軒近く郵便局を探し回ったそうです。
9月にローマに来る方は、なるべく早めに郵便局で黄色のKITを入手することをお勧めします。

ルイス大学は滞在許可証申請オリエンテーションを開催してくれる

派遣先のルイス大学は、非EU圏出身の学生のために、「滞在許可証申請オリエンテーション」を開催してくれます。
「封筒から申請書を出して、一つ目の枠にこれを記入してください」「皆書けたかな?次に、この枠はこう書いてください」「この枠にはビザ番号を記入しますが、欄が足りないので番号の一文字目は飛ばして書いてください」と至れり尽くせりで申請書の記入方法を教えてくれます。本当にありがたいので積極的に参加しましょう!!他の留学生と知り合える良い機会にもなります!
また、こちらのサイトにもお世話になりました。

ちなみに、申請用紙の25番「封筒に入れて提出する書類のページ数の合計」は空欄にしておくことをお勧めします。郵便局で申請するときに、不要な書類を返却されることがあり、その時点で合計枚数が変わるからです。郵便局の方が最終的にチェックしながら記入してくれるので、無理に記入しなくても大丈夫だと思います。

その他の必要書類については、情報源によって若干の誤差があります。大学からの案内には載っていないものが、日本語の説明サイトに載っていたりするので、とりあえず必要そうなものは全部持っていくことをお勧めします。

いざ行かん、郵便局

レシート用紙切れで郵便局が機能せず

必要事項を記入して収入印紙を貼った申請用紙と必要書類のコピーを取り(郵送事故などがあったときのために全書類の控えを取る)、封筒に入れて準備完了。 勇み足でBolgna駅の郵便局に向かいます。滞在許可証の申請はKITの入手と違ってそれなりの規模の郵便局でしか取り扱ってもらえず、テルミニ駅前の大きな郵便局はいつも大混雑で数時間待ちもザラということで、大学からこの郵便局をお勧めされました。

そんなこんなで郵便局を尋ねると、あら残念。「申請後に渡すレシート用紙が切れてしまったので、来週また来てね」とDeeplで伊→英に翻訳されたスマホ画面を掲げた郵便局の職員の方が入り口に立っていました。恐らく書留受領書か申請料の領収書用の紙が無くなってしまったのでしょう。予想外の理由で拍子抜けしましたが、それだけ沢山の人が滞在許可証を申請した証拠ですね。郵便局の方、お疲れ様です。

怒号が飛び交う月曜日の朝

気を取り直して月曜午前9時半。郵便局には先週追い返されたのであろう、黄色いKITを小脇に抱えた外国人が大勢いました。滞在許可証という難題を乗り越えるため、初対面の外国人同士が英語で申請書の記入方法や必要書類を教え合い、助け合います。やっぱり皆困ってるよね…。
適当に番号札を取って待っていると、なんと申請者が何人も窓口で追い返されているではありませんか。聞き耳を立てると、どうやら「滞在許可証の申請者はAから始まる番号札を取らないとだめ、もう一度発券機でAを取れ」と言われているみたい。

Aから始まる番号ですって?初耳ですわ。私の番号Bから始まってますわ。しかも間違った窓口に多くの外国人が来てイライラした職員さんが、申請者とそれなりに激しい口論を始めました。朝から雰囲気悪すぎてお腹痛い。
というか、「Aの番号札でないと滞在許可証の申請ができない」と何故アナウンスしないのか。レシートが無くなるほどたくさん申請者が来てる郵便局なら、外国人のために入口辺りにメモか案内かを残した方が混乱が少ないだろうに…。
文句を言っても仕方が無いので、何も知らずに待っている他の留学生に「Aの番号じゃないと申請を受け付けてもらえないらしいよ。あなたのは大丈夫?」と伝え、情報を拡散します。もう一度入口の機械に戻ってAの番号札ゲット(確かposta e pacciの欄だったような。郵便局によっても違うかもしれないので、確証はありません。)。並び直しです。

↑この動画の冒頭部分で、郵便局の発券機の使い方が説明されます。

1時間ほど待ってA064、私の番号が呼ばれました。書類とパスポート原本を渡し、中身を確認されます。パスポートの全ページのコピーを持って行ったのですが、顔写真とビザ&入国スタンプのページのコピー以外は返却されました(警察署で必要になるので用意しておいて損はない)。渡された用紙にサインをして申請料を支払った後、通常なら①支払いの領収書、②書留の受領書、③指紋採取の招集日が書かれた紙を受け取るはずですが、このタイミングで職員さんからイタリア語で何か言われました。というか、窓口の方は基本イタリア語しか話しません。聞き取れなかったので日本から持ってきたこのポケトークを使います!

プロモーション活動ではありませんよ。でも実際めっちゃ便利だった。この小さな翻訳機を窓口のアクリル板の下の小さな隙間から職員さんに渡し、先ほどの内容を繰り返してもらいます。「指紋採集日はまだ決まっていないので、後日書留郵便かSMSで日程をお知らせします」とのこと。その場で指紋採集日を伝えられないほど申請が相次いでいるのですね。これはアポイントメントの日もかなり先になるだろうな。まあ、滞在許可証を受け取るまでの「証拠」となるレシート類をゲットしたので、ひとまず安心です。

アポイントメントの通知

書留郵便かSMSかを待つ間、郵便局のサイトで自分の申請のステータスを確認できます。サイトにアクセスした後、青で括った部分をクリックすると、Autenticazioneと書かれたログイン画面になるはずです。

Area Riservata Stranieri というセクション
なぜかスマホだと上手くログインできませんでした。

ログインIDは、郵便局から返却された3点セットのうち、はがきサイズで左上にバーコードの付いた書留受領書に記載されています。一つ目のNome Utente[U]の欄には12桁のUSER IDを、Password[P]には受領書左上・バーコード下のPASSWORDを※ハイフン抜き数字のみ※で入力します。

ログイン後は、資料が今どこにあるか(まだ郵便局orどこかで調査中)、提出した資料の異常の有無、アポイントの日付が記載されるはずです。ちょっとずつ情報が更新されていくので、郵便局に行ってからあまり時間が経たないうちは「データがありません」みたいな表示になっても大丈夫。

2週間後、申請書に記入したイタリアの電話番号のSMSにアポイントの日が通知されました。

21/06/2024 alle 12:00

日本の日付表示だと2024/06/21です

9か月後!!
まさかここまでとはな。帰国予定日は6月15日(変更になるかもしれないけど)なので、ほぼ確実に、カードの滞在許可証を受け取る前に日本に帰ってしまうでしょう。
ちなみに、このSMSが来た後前述の郵便局のサイトにアクセスすると、そちらにもアポの日が更新されていました。ついでに不足していたドキュメントについても書いてある。SMSには書かれてていなかったぞ…?

さらにSMS受診から10日後(郵便局での申請から3週間後)、郵便局からの書留郵便も届きました。

おわりに

以上が2023年9月、ローマでの滞在許可証申請の経緯です。

今一番気になっているのは、滞在許可証の新規申請中のステータスでヨーロッパ旅行できるか否か。滞在許可証の更新中は基本イタリアから出てはならない、いや申請中なら大丈夫、マルチプルビザだからシェンゲン圏なら大丈夫、と様々な情報が錯綜しています。できれば欧州に留学中の日本の大学の友達に会いたいのですが…。

とりあえず、留学中にイギリスに行くのはやめておこう。


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