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キラメキ内臓占いから見た薬膳シリーズ③五果

五果とは体質や季節によって身体が必要とする果物です。

必要な時に五果を摂取すればビタミンを補給して身体を助けられます。

果物には糖質だけでなく食物繊維も豊富に含まれます。

そのためビタミン補給だけでなく便秘を解消する働きも期待できます。

果物は食後のデザートのイメージが強いですが、果物の栄養をしっかりと吸収できるのは食前か食間です

加えて果物に含まれる果糖は吸収が早いので、1日の中では朝食に摂る方がエネルギー補給には最適です。

東洋医学 (25)

①木タイプには李(すもも)

李に含まれている酸味はリンゴ酸が中心で疲労回復に効果があります。

また李に含まれる水溶性の食物繊維であるペクチンは大腸の掃除もしてくれます。

木タイプ気(代謝)が高いので老廃物が多く作られ筋肉の経験が起こりやすいのが特徴です。

李に多いカリウムはナトリウムを排泄する役割があり、高血圧の低下や筋肉の痙攣などを防ぐ働きもあります。

カリウムが不足すると筋肉が弱り痙攣しやすくなるので、木タイプには李が相性の良い果物なのです

薬膳から見ると、

清熱利水(せいねつりすい)
 ⇒熱を冷まして老廃物の排泄を促す
生津止渇(せいしんしかつ)
 ⇒唾液を分泌して渇きを止める

などの作用があり木タイプの高い代謝をサポートしてくれます。

②火タイプには杏(あんず)

杏は6月末~7月中頃に旬を迎える果物です。

そんな杏は紫外線から身体を守るβカロテンが群を抜いて多いことで知られます。

紫外線などの強い刺激には発癌性がありますが、杏は発癌性を抑制する作用の強いβ‐クリプトキサンチンも含んでいます。

杏に含まれる有機酸もクエン酸やリンゴ酸で、胃腸の働きを良くして殺菌作用などの効果があります

有機酸を摂取すると乳酸の分解が促されるので、疲労の回復に加えて肩こりの予防にも役立ちます。

また、杏には糖質が消化吸収されるのを阻害する働きがあるので糖尿病の患者にもおすすめです。

意外な栄養では神経伝達物質となるギャバも含んでおり、脳の血行を良くする作用から認知症の予防にも効果があると考えられています。

火タイプは交感神経が活発になりやすいので、副交感神経を活発にするギャバは大切な成分です

ちなみに杏の種は杏仁(きょうにん)と呼ばれ、生薬として咳止めや痰を抑える効果があり漢方薬としても活躍します。

薬膳から見ると、
潤肺止咳(じゅんぱいしがい)
 ⇒肺を潤して空咳を止める
生津止渇(せいしんしかつ)
 ⇒唾を生み出して喉の渇きを抑える

などの効能があります。

火タイプは津液不足になりやすいので、喉を潤す成分はとても大切です。

③土タイプは棗(なつめ)

棗は8月中旬から10月末あたりまでが旬となる果物です。

棗の特徴は、豊富なビタミンCとミネラルです。

果物の中でも棗はビタミンCが豊富なので、活性酸素から身体を守って免疫力を高めてくれます

そして棗に含まれるミネラルには、水分代謝を調節するカリウムやマグネシウムに加えてリンや鉄なども含みます。

また、乾燥させた棗の実は大棗(たいそう)と呼ばれる生薬で、強壮や補血などの漢方薬によく用いられます。

薬膳から見ると、
補中益気(ほちゅうえっき)
 ⇒消化器系の機能を高めて代謝を高めます。
養心安神(ようしんあんじん)
 ⇒精神不安を鎮静します。

土タイプは考えすぎるクセがあり、人によっては精神不安に陥る傾向にあります。

そんな時にも棗の養心安神の効果は役立ちます。

④金タイプには桃

桃の主な旬は7〜8月になりますが、最近では品種や産地の違いによって12月頃まで生産されています。

桃の主成分は果糖で、 疲労回復には即効性のある果物です。

他にも桃にはペクチンなどの水溶性食物繊維やカリウムも多く含まれています。

水溶性食物繊維には整腸作用があり、便秘の予防に効果があります。

カリウムはナトリウム(塩分)を排泄する役割があり、高血圧の予防に効果があります。

また、長時間の運動による筋肉の痙攣などを防ぐ働きもあります。

金タイプは気が低く筋肉が痙攣を起こしやすいので、運動をする時には桃を食べると筋肉の痙攣を予防できます

薬膳から見ると、
補気生津(ほきせいしん)
 ⇒気を高めて唾を分泌します。
潤腸通便(じゅんちょうつうべん)
 ⇒大腸を潤して便を排泄しやすくします。
補肺止咳(ほはいしがい)
 ⇒肺の機能を高めて咳を止めます。

金タイプは肺が弱りやすいので、補気補肺の作用で肺の機能を高めるのは大切です。

⑤水タイプには栗

栗の主な旬は9~10月頃になります。

栗には糖質とビタミンB1が豊富に含まれています。

特に栗はビタミンB1を多く含み、糖質やアミノ酸の代謝を助けるので摂取した栄養をエネルギーに変えてくれます。

他にもカリウムやタンニンが豊富で、タンニンはポリフェノールの一種で動脈硬化の予防にも役立ちます

薬膳から見ると、
健脾益胃(ほひえきい)
 ⇒脾の機能を高めて弱った胃を元気にします。
補腎活血(ほじんかっけつ)
 ⇒腎の機能を高めて血流を良くします。
化痰止咳(かたんしがい)
 ⇒水分代謝を高めて咳を止めます。

水タイプは水分代謝が悪くなりやすいので、水分代謝を高める作用が大切です。

また腎の機能は加齢によって低下するので、高齢者ほど補腎の食材を意識して食べましょう。

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