日経新聞4月27日夕刊の記事に触れて④
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私「いや、このまま車にお乗せする訳にも…」
私が警察沙汰にならないならこの場を離れたほうがいいのだろうかと困惑していたら
男「いや、いいから。車で送ってくれ」
先ほどまで痛がっていたのが嘘かのように、スタスタと歩いて助手席から営業車に乗り込む男。私が状況を図りかねながら運転席に着くと、
男「いいから早く車を出せよ」
と、男が助手席で車のウィンドウを下げて、自らが押したために畳まれてしまったサイドミラーを直しながら言った。
これを見て、おい、自分でサイドミラーを直すとか、完全にサイドミラーを狙った認識があった証拠だろうと思いながら、この先どこに行こうとも、私はこの車を降りてはいけないなと心に誓った。すると男は、更に私を困惑させる一言を放ったのだ。
男「近くの駅に行け」
これはどういう意味なんだろうか、と思った。こんな曖昧な指示があるか。実際に行く(いる・ある)のかは別としても、アニキや事務所とかを匂わすんじゃないのか?連れていく先が決まっていない?いや、決まっていないフリか?
私「駅というと、ここからだと自由が丘か都立大か…」
男「都立大へ向かえ」
仕方なく来た道を戻り、目黒通りを右折して都立大学駅を目指した。その間の会話はあまり覚えていないのだが、とにかく怖いアニキに呼ばれて急いでいるので大変なことになったというのを繰り返していたように思う。
私は、アニキって一般名称で普通に使うしなぁ、はっきりヤ◯ザとか言ってくれないと強要・脅迫にはならないよなぁとか、得意先との商談には間に合わないけど今は電話できないよな、みたいなことをぼんやりと考えていた。
つづく
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