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バトンのようにつながるポチ袋

2023年1月7日。

実家に集まった年の始まり。

妹家族。

弟家族。

それから父母。


いつも通りの光景に
ただ1つ足りないもの。

それは

「祖母の姿」

2022年11月に

祖母は突然他界しました。


四十九日も無事に終わった
年明けは
少し寂しさが香っていて

それでも子どもたちが
集えば
ワイワイタイム

そんなうるさい時間も
終盤になり

父は、
帰り際に
7人の孫に
お年玉を配り始めました。

上は中学生。

下は7か月の赤ちゃん。


お年玉袋に

入ってる金額が違うから

裏に名前が書いてるお年玉袋。

「これは○○ちゃん」

「これは○○くん」

「ありがと~~~」

と浮かれる子どもたち。


すると、母はそっと父に
何かを手渡した。

父はまたリビングへ
戻ってくる。

「さっきお年玉はもらったけど・・・」

と思っていた私を
いい意味で裏切った
父の言葉を

きっと一生忘れないので
今日ここへ書き留めます。



「ばあちゃんは死んでいなくなったけど

これはばあちゃんからのお年玉たい。

最後のお年玉やけんな。

ばあちゃんの部屋のタンスから

お年玉ん袋の出てきたけん

はよぉから袋ば買うて

ひ孫にお年玉準備しとったごたるけんな」


そうつぶやいた父の言葉は
少し泣きそうな声でした。


顔を見たら
泣きべそがうつるので
顔は見れませんでした。



裏に名前のないお年玉袋。

年齢関係なく
一緒の金額を入れてる落とし玉。

そんなところが
ばあちゃんらしい。



次の日、

「このお年玉袋は・・・ママ捨てきらん」

中2の娘にそう言うと

娘は

「そっか」


と言って、自分のノートに

落とし玉袋をはさんだのです。


娘も、捨てれないんだな。



ただの袋だけど。

どこにでもある袋だけど。

この袋は

最後にもらったプレゼントだからね。

ばあちゃんが
渡したかった愛情だから。





もうこの世にはいない祖母から

お年玉をもらいました。




父と母の
心遣いに
感謝です。

子どもたちの記憶に
残っていくといいな。

その人がいなくても
周りの心遣いで
その人をいつでも思い出せるんだということを。


ばあちゃんのことを話した
ラジオはこちらから↓


山のてっぺんのイノシシ女より

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