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スナイパーの意外な使い方 ショートショート

「今、鬼も働き方改革で、業務回すの手一杯でさ。あんま地獄に人送りたくないのよ」目の前の閻魔様は茶髪のロン毛で、しかもTシャツ短パン姿だった。

「あんたスナイパーだったし、こういうのは得意そうじゃん。更生の一環だと思って、どう?」閻魔様の手にはチラシが握られていた。


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『言われたことに従いなさい。意図なんて考えるな』生きていた時、師匠に言われた言葉を思い出す。
「わかりました。やります」私は何も考えなくていい。閻魔様の顔がわかりやすくほころぶ。
「わかった、じゃあ連絡しとくね」閻魔様はスマホを片手に裏手側に歩き始める。

「あっそうだ。最後にアドバイス」閻魔様はなんでもなさそうに、だけど目を見て話す。

「色々諦めないこと。受け身だったらなにも始まらないでしょ」閻魔様からの言葉は、私を少しづつ変えていくような気がした。

お題 スナイパーの意外な使い方 (398字)

あとがき

無事、文字数セーブ完了!この閻魔様また、違う話で出したいな。

たらはかに(田原にか)様の企画に参加させていただいています

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