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無機質なツールの思いやり

日本語入力には「ATOK」を使っている。私のノートパソコンはWindowsなので、標準だと「Microsoft IME」なのだが、一台前に使っていたノートパソコンにはATOKがプリインストールされていた。その時に使っていた感じでは、ATOKのほうが変換にストレスが少ないように思えた。しかし、ノートパソコンを買い換えざるを得なくなって、新しいノートパソコンではしばらくMicrosoft IMEを使った。だが、ATOKのちょっとした気の利かせ方が恋しくなってきたのだ。よって私は、ATOKのいわゆるサブスクであるところの「ATOK Passport」に申し込んだ。

有料サービスなだけあって、ATOKにはさまざまな機能がある。その中の一つとして「リフレッシュナビ」というものがある。長時間連続入力をしていると、この画像が画面右下端からすすすと出てくる。

リフレッシュナビの出現

なんたる気遣いであろう。しかしそう言われても、入力し続けざるを得ない場合もあるし、興が乗って入力を止めたくない時もある。そういった事情で、リフレッシュナビを無視してキーを打ち続けていると、こうなる。

リフレッシュナビの一時退却

勝手に引っ込んでくれるのだ。しかし、コーヒーを差し出す気遣いの心を完全に消しはしないリフレッシュナビだ。×印をこちらで押さなければ、この画面右下端に留まったままでいる。

こうやって存在を小さくしつつも休憩を促し続けるリフレッシュナビを、それでも無視して入力を続けていると、いつのまにかこのコーヒーも消えていることがある。さすがに愛想を尽かされてしまうこともあるようだ。

このリフレッシュナビだが、クリックして開くとこのような画面が表れる。

リフレッシュナビの表示

これはアイコンが出現してすぐに開いてみたところだ。どうやら80分の連続入力で休息を促されるらしい。この時(13:00~14:00)の画面では「入力時間が長くなっています。10分程度の休息をおすすめします」であるが、今、また開いてみたところ、その欄の文章はこうなっていた。

リフレッシュナビの表示

120分連続入力を受けて「入力時間がかなり長くなっています。休息しましょう」になっている。「おすすめします」だった休息を「しましょう」と言いきっているあたり、リフレッシュナビの強い促しの心が感じられる。

では入力時間が150分くらいになったら、どんなふうに言われるのだろうか。まさか「休息しなさい」という命令形にはならないとは思うが、「休息してください」くらいにはなるかもしれない。気になりつつも、疲労感89と推測される私である。今日はこの辺にしておくのである。

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