#296 周章狼狽(しゅうしょうろうばい)

一年の浪人生活を終え、久々の帰北。
いきなり風邪による高熱で3日間寝込んでしまい、貴重な5日間のうち半分以上を療養に費やしてしまった。
悪友達との再会そして、高校時代気になっていた取っ掛かりの思いとも向き合う事ができた。
今回は昨年ほとんど持って行かなかった自分の持ち物を東京の実家に送ったり、持って帰ることにした。
11カ月に渡り深夜朝刊配達をしてきた事が体に染み付いているのか夜中2時前に目が覚める事があった。
起きた瞬間は寝ぼけて、「まずい。配達に間に合わない。」と咄嗟に思ってしまった。
とは言え、実際に11カ月間で一度も寝坊してして遅れた事はなかった。
空港まで母に車で送ってもらい、飛行機で帰京。
1週間後には大学の入学式があり、いよいよ大学生としての新生活が始まる。
大学合格を果たしたご褒美として長男が僕に好きなものを5万円分買ってくれる事になった。早速兄と二人で買い物へ出かけた。
鞄やスェード革の靴など大学へ通うときに使えるものを買ってもらった。
長男は医学部の大学院まで行っており、勉強に対してはとても厳しかった。その長男が今回の合格は僕の頑張りを認めてくれた様だった。

僕は早稲田大学ラグビー部への入部は入学式が始まってから、進むものだと思っていた。希望すれば誰もが入部を許され、早稲田大学ラグビー部は多浪生だった者が多く集まるので、体が慣れるまでしっかり考えた練習をしてくれると思っていた。
実際は事前にラグビー部寮に電話をして、入部の意思を伝える必要があった様だ。僕は入学式の前日、ラグビー部寮に電話して問い合わせをしたことでそのことを知った。入学式の日からいきなり練習が始まるのでラグビーの一式とアップシューズ持参と聞いたので、近所の靴屋に慌ててアップシューズを買いにいった。全く心の準備をしていなかったのでかなり焦った。
まさか入学式からいきなり練習が始まるとは思ってもいなかったのである。
アップシューズを履いて行うような本格的な運動は高校卒業以来遠ざかっていた。
続く…

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