私と、絵を描くということ
私は美術大学を卒業してから本格的に絵を描き始めました。
卒業して約1年後に、画材をアクリル絵の具から岩絵の具に変え日本画を描き始めました。
日本画を描き始めて持っていた制作のテーマは「光と影」でした。
普遍的な人の心の傷や痛み、それに共感し得る人間の美しさ。
分かり合えなくとも、同じであることの人間の尊さを表現していました。
時たま「鈴木さんの絵は怖い」「暗い」とご感想を頂くこともありましたが、一線で活躍されているアーティストさんたちにも恐れ多くも良い評価を頂いたり、アワードで賞を頂くこともありました。
しかし、2018年2月末に心療内科で診断が下り、それからこの5年間ずっと精神科クリニックに通っています。
生活が一変してしまい、今は作品発表ができない状態になってしまいました。といっても、現在は働きながら、ご飯も食べています。
絵も少しずつ描いて、自分なりに目標を持って日々生活しています。
私は絵のモチーフとして白い鷺を描くことがあります。
私の目には彼らは高貴に見え、また辛抱強く動かずに水面を見ている姿が好きです。
ことわざには「白鷺(はくろ)は塵土(じんど)の穢れを禁ぜず」というものがあるそうで、白鷺は汚れた土の上に立っても汚れることがなく汚れを気にかけないため、潔白なものはどんな境遇に置かれてもその本質は変わらないことの例え、ということのようです。
参考:コトバンク
このことわざが好きで…
白い鷺のことがもっと好きになり、絵に登場するようになりました。
今でもラフ案に登場するので、本描きまでもっていって作品を完成させたいですね。
個人的にモチーフは出会いと、そして降ってくるものだなと思います。授かりものといってもいいかもしれません。
私はモチーフを探して探して見つけられた体験をしたことがなくて…頭、心に浮かんできて、それを描くとすべてがしっくりいくような感覚。それに導かれて絵が描けています。
日々年は取っていくし、毎秒時間は過ぎて行って、世界は待っていてはくれない現実があります。私は健康な状態にまだ戻れないし、弱気になることもありますが、絵は不思議だし、複雑で、難しくて、でもとても楽しい。
そんな絵を描くという行為に今日も向き合って、一つ一つできる範囲で大切に挑戦していこうと思います。
また新作を発表できますように。
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