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『リセットの習慣』でリセットされたのは「変わることへの抵抗」だった

ふと、本屋さんで目に飛び込んできたこの本。

「悪い流れを断ち切る99の行動術」という言葉に惹かれました。

ぱらぱらと目次を見てみると、ひとつひとつは「日常的で身近な行動」なのに自分を振り返ってみると「できていない」ことばかり。

そう。わかっているのにうまくできなくて、結局悪い流れのままでいる。

そこから抜け出したい気持ちはじゅうぶんにあるのに。

普段ならそのもやもやした気持ちごとその場に置いて立ち去ってしまうけれど、なんとなくそうすることができずに買って帰りました。

そのままカフェに立ち寄って落ち着いた気持ちで読みだすと、不思議なことに少しずつもやもやのしくみがわかってきました。

そもそもわたしたちは「流れに乗る」のは得意だけど「流れを変える」のは苦手だということ。

長いコロナ禍で心身が停滞モードになって、知らぬ間に「悪い流れ」をひきずっているということ。

その流れを断ち切るためには「戻す」のではなく「新たに始める」「大胆にリセットする」必要があるということ。

「新たに始める」「大胆にリセットする」と聞くと、なかなか難しく感じられるのですが、最初にも述べたように、ひとつひとつは日常のなかでできる小さな行動です。たとえば、

・朝は「リズム感のある曲」を聴く

これは簡単!と思うけど、調子の良い朝にはノリノリで聴いていても、落ち込んだ気分の日に取り入れているかというと、やれていないのが正直なところ。

わかっているけれど、悪い流れに乗ってしまっている。調子が良いときは良い流れだけど、悪い日は悪いままずっとだらだら。こういう日って、けっこうあるんじゃないかな、と思います。

なぜ悪い流れを断ち切れないのか?
悪い流れを断ち切るにはどうすればいいのか?

本書を読み進めていくと、そのために必要なことも見えてきます。たとえば、

・コンディションを「その日任せ」にしない

という項目では、

・意識的に自律神経を整えることが安定したパフォーマンスに繋がること
・そのためにコンディションの良い日と悪い日によって時間の区切り方を変えたり、朝の習慣を変えてみること

が記されています。

この「意識的に」というところに、はっとしました。

多くの場合、日常生活は昨日と同じ流れを無意識的に繰り返しています。それが悪いこととは思わないのですが、悪い流れができてしまったとき、それに「気づいて変える」というのは、自分の状態に「意識的」でないとできません。

自分の状態に意識的になる、って意外とむずかしい。自分の状態ってわかっているようで実はわかってないから。そんなふうに思いながら本書を読み進めていくうちに、あ、そうか、と突然気づきました。

わたしが最初に目次を見たとき感じたこと。
わたしはなにもできていないという気持ち。
これって自分の状態に「意識的」になった、ということではないかな、と。

つまり「できていない」という自分に気づいたということは、そこがまさに悪い流れに「気づいて変えていく」スタート地点なのでは、と。

いつもなら見ないフリをして日常の流れにもどっていたけれど、そうじゃなく、この本を手に取って読み始めたところから、すでに自分の人生に意識的に働きかけようとしていたのではないか。

これは本書の狙いではないのかもしれませんが、わたしはなにか、自分の深い部分がリセットされたように感じて不思議な気分になりました。

深い部分の、強い抵抗感みたいなもの。
悪い流れでも流れのなかにいるほうがラクだし変わりたくない、という頑なな気持ち。それが不思議とリセットされていくように感じたのです。

本書の内容は日常的かつ具体的な行動術を記しているのですが、なぜか深い抵抗がじわじわと緩んでいくような心地はおもしろく、私の心がいちばん動いた部分でもあったので、ぜひ読んで体感してほしいところです。

本書を読んでなにかしらの抵抗が出たなのなら、それはすでに自分の人生に「意識的」になっている証拠。そこがまさに人生の流れを大胆に変えていくスタートラインなのだと思います。

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