バランサー

『トークの教室』4刷&「玄石」設立W記念…という妙なサブタイトルのトークイベント「”面白い企画”はどのように生まれるのか」 は、先日無事終了した。
いつも集客力のない藤井青銅だが、今回は多くの方に参加していただいた。感謝だ。石井玄パワーなのかな。…いや、オードリーの東京ドームライブ・パワーか。

イベントの中でも少し触れたことを、その後さらに考えている。
イベントで、私は大要こんなことを言った。
「ラジオのいち番組、しかも歌手ではなくお笑いで5万人の東京ドームを埋めるなんて、そもそも無謀な企て。石井さんはプロデューサーとして、『絶対いける!』と終始ポジティブ発言だった。それはプロデューサーとして当然のスタンスだと思う」

イベントでは言わなかったが、私はかつて腹話術のいっこく堂をプロデュースしていた時の経験で、「プロデューサーというものは、スタッフを不安にさせてはいけない」とわかっている。そりゃ内心不安なこともあるが、立場上「絶対うまくいく!」とポジティブな姿勢を崩してはいけないのだ。
だから当時、石井さんの発言やスタンスはよく理解していた。

イベントではこう続けた。
「一方で、若林さんと私は時々『大丈夫なのか?』と不安を口にし、ネガティブ派として批判された。でも、プロジェクトの中ではこういう意見を口にする存在が必要だと思って言っていた。結果的に、フタを開けてみれば大盛況だったので、『ほら見たことか』と言われたけれど」
と。
イベントではここまでで、以下の言葉は言わなかった。
「私は、自分がバランサーだと思っているので」

ここから先は

1,261字
この記事のみ ¥ 150

お読みいただき、ありがとうございます。本にまとまらないアレコレを書いています。サポートしていただければ励みになるし、たぶん調子に乗って色々書くと思います! よろしくお願いします。