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買ってよかった、バターの本。


私はブックオフが好き。
どちらかと言うと私は若干潔癖の節があり、本当は新品のまっさらな本が好き。
なのだけど、たまにふらっと寄ったブックオフの100円本コーナーで、掘り出し物を探す事に喜びを見出している。自分が普段なら買わない本を見つけるのが好きだ。
少し前にブックオフで本を買ったと言うべきか若干ネットがザワついていたので、本当は書くべきでは無いのかもしれないけれど、私のnoteは嬉しかった事を書く場所にしているので記そうと思う。

まだ仕事をしていた時の話。
仕事場の近くにあるブックオフは品揃えが良く、帰り道に何度か寄る事があり、その日も仕事を終えブックオフに足を運んでいた。
そこでふと手に取ったのは「バターの本」。
本の題材に終わりは無いと常々思っているけれど、まさかバターに着目した本があるとは考えもせず、表紙の可愛さもあり好奇心から購入することにした。

本当に、世の中は私の知らない事ばかりだなと思う。私の見ている世界の狭さに、少しばかり落胆する。
正直、私自身バターにこだわりはない。適当に買ってきた物をパンに塗って終わりだ。デザインだってちゃんと見た事が無いし、日常的にそこにあるだけの物になっていた。
しかし本を開くとどうだろう。可愛いデザインの缶にラッピングされお洒落に着飾ったバターがそこに居て、思わず感嘆のため息を漏らす。デザインだけではなく、味や原産地、食レポやバターに込められた想い、美味しい食べ方など、バターに対する熱意が込められていた。

普段何気なく使っている物にも、様々な人々が関わっていて素敵だ。バターの本を作る為にはまず企画会議に参加する社員やデザイナーやライターも必要で、大元のバターを作る為には牛が必要で、その牛を育てて乳を絞る人がいて、その牛が産まれるためには……今ざっと考えただけでもキリがない。私は知らないうちに、様々な人に触れ合いながら生きているのかもしれない。

バターの本が家にあるだけで、ちょっとだけ浮き足立った気持ちになれる。ブックオフの100円コーナーには、値段以上の幸福が潜んでいる可能性を秘めている。本ってやっぱり、宇宙だ。

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