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女性の不思議

仕事中に体が火照り、手の中にぐっしょりと汗をかいた。
気がつくと脇汗も流れている。
そんなに室温は高くないはずなのに、違和感を感じた。
そして...

「あぁ...準備が出来ました...
今すぐいきり勃ったその男根を私の中へ挿れて!さぁ!!」

なんて喜び喘ぐ女性の秘めた場所...
え?
どうして?
今仕事中で、パソコンにかじりついて業務をこなしていたのに...
私の体に何が起きたと言うの...?

突然の出来事に、思考回路は停止した。
最近は禁煙していたことを忘れ、昼の仕事中も煙草を吸うようになり、とにかく煙草を吸って落ち着かせようとした。

「もう準備が出来ているのに!
どうして入ってきてくれないの!
せめて自分の手でこの火照りを鎮めたい...!」

引き続き、喘ぎ叫ぶ私の体。
煙草を吸いながら、放心状態になってしまった。
一体何が起きているというのか。
確かに生理前の不調はあったけれど...10歳の頃から女性の周期と付き合っているが、こんなことは初めてで本当に恐怖を感じた。

職場ではもちろん性的な話など一切していない。
私の所属する部署は一人でタスクをこなす形態のため、基本黙々と就業している。
話すことがあったとしても、雑談程度だ。
昨日見たテレビが面白かった、最近こんな曲が好き...そんな他愛もない会話だけ。
それなのに何故...?

煙草を吸い終え、これもやって欲しいと上司から仕事を追加して頂いたお陰で、突如湧きあがった性欲を忘れることが出来たが...

こういったことを経験されている女性は私以外にいるのだろうか。

この翌日、ひどいPMSの症状があった。
胃痛、気分の沈み、ひどい眠気...
今までは生理が来てもここまで酷くならなかったのに、この日は最後まで仕事が出来ずに早退。
帰ってからひたすらベッドの上で横たわり、回復を待つ。
看病してくれる人がいない、孤独の部屋の中...

ー姉さん、大丈夫ですか?!看病しに行きますよ!!

体調が悪くて早退したことを最近仲良くしている女の子に話すと、すぐに看病しに行く!と返信してくれた。
この連絡には本当に涙が出た。
大丈夫、ありがとうと返信して一人静かに眠りに入る。

あぁ、一人じゃないんだ。
声をあげれば、心配してくれる人がいる。
なんて私は幸せなんだろう...

今ある人間関係に感謝をしながら泣いた。
好きな人へは体調が悪いと連絡出来なかった。心配させたくなかったし、付き合っているわけでもないし...
でももし、体調が悪いと言ってたら...心配してくれたのだろうか。
声が届かなかったときを考えると怖くて言えなかった...

それでも信じていることがある。
どんな道のりを進もうとも、彼と一緒になれると。
何故か、強く信じている。
私にとっては彼しかいないし、彼にとっても私しかいない...そう思える理由は分からない。

彼がタキシード姿で私を待っていた映像を見たのは事実で、彼が小さな男の子の手を引いていた映像も見えた...

私の頭がおかしいのか。
妄想の延長線上に見えたのか。
ただの白昼夢だったのか。
一緒になるんだといういい知れぬ自信はどこから出てくるのか...

何故かは分からないけど、信じてみようと思う。私の望む未来を。

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