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ようなしとヨウナシと

下らない事を考えていたら
もう、深夜2時を過ぎていた。

どうしても眠れない日が続いて
ふと、目に留まった洋ナシのリキュールを買ったのが数日前。

酒はあまり得意では無いが、他に方法が思いつかなかった。
すこしでも寝つきが良くなるならと牛乳と混ぜて飲む。
甘さと苦味が心地よい。

ただ、それで終わらなかった。
下らない事と言うのは、なんというか被害妄想というか
自己否定というか、罪悪感というか
なんとも説明しづらい 後ろ向きな思考の事だ。

そんなに酒に強くない俺はリキュールの牛乳割なんていうジュースで酔えてしまうのだ。
そして、ふと思ってしまう。

洋ナシから用無しという単語を連想して
自分に重ねては、勝手に落ち込むのだ。
このままたったひとり。寂しく人生は終わるのだろうか
毎日自尊心を削る生活。上手く回らないのは自分の所為?
誰からも必要とされない自分は……

この無意味な思考の渦から抜け出す為に
酒の量は日に日に増えて行く

ああ、駄目だ

止まらなくなる前に、誰かに

だれかに、助けって 伝えなくては

クルクルと回る視界が、端末を捉える、手を伸ばす

「……」


こんな時誰に助けを求めればいいのだろう


俺は、考えるのも悲しむのもやめて 端末を投げ捨てて

ふぅ、と息を吐いた。


もう、10代ではないのだ
自分の機嫌を取るのは自分なのだから
そんなくだらない思考で自分を追い込んでいる場合ではない

明日は来てしまうのだ
朝は待ってくれないのだ
用無しの能無しが嫌なら、変わるしない

助けてという言葉はまずは自分に言う事にしよう

救いようのないバカを救てやろう

酔いが回ってフラフラと、布団に入って
目を瞑る

ひとりじゃ生きていけないけど
出来る限りひとりで出来る事を増やさなければなぁ

などと考えて 意識を手放した

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