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現代短歌 -2- 過ぎゆく季節 (3首)

7日間 広い世界で他でもない
"キミ"を見つけたセミたちの歌 

知らぬ間に排水溝に連なった
蝉のカップル 秋空あおぐ

死んでなお 暴風雨にも流されず
契り交わした蝉が添い寝し

***

台風や熱帯低気圧が何度か通り、
季節はすっかり秋に移り変わりました。

ある日、秋風に誘われてベランダに立つと、
排水溝には蝉2匹の亡き骸が
気持ち良さそうに天をあおぎ、並んでいました。

何度風雨が襲来しても、流されず、
カラカラに干からびてもそこに居続けた蝉たち。

その短い人生の最後を華々しく飾った者たちの亡き骸を、どう始末したものか決めかねています。

白湯(さゆ)

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