見出し画像

4月11日(2017年) 上海上港を上回り、グループ1位へ前進

 2017年4月11日(火)、浦和レッズは埼玉スタジアムに中国の上海上港を迎えてACLグループステージ第4戦を行い、1-0で勝利した。これでグループステージは3勝1敗。ステージ突破へ貴重な勝利であり、1位通過の可能性も大きくなった。

強力な新興クラブ、上海上港

 3年連続、6度目のACL出場となる浦和レッズ。この年は好調なスタートでグループステージ第1戦、第2戦を快勝。第3戦は、同じく2勝していた上海上港とアウェイで戦った。
 5年前に中国スーパーリーグに昇格したばかりの上海は、その財力を生かして強力な外国籍選手や実績ある監督を獲得し、前年ACL初出場でベスト8に進むなど急激に成績を向上させてきたチーム。この年は、FWエウケソン、フッキ、MFオスカルのブラジル人トリオに加え、ウズベキスタン代表ボランチ、アフメドフらの活躍で、国内リーグ、ACL全勝を続けていた。

画像2

第3戦は一時0-3の劣勢

 3月15日の第3戦では、後半7分までに3点を奪われる展開だった。アウェイの雰囲気や初めて戦うタイプの相手に慣れていなかったことで、運の無さやミスも誘発された。
 0-3というスコアは、2013年、やはり中国の広州恒大と初めて戦ったアウェイゲームを思い出させた。ただ、広州とはその後3試合対戦して負けていない。レッズは相手の特徴をつかめば強いはず。そう信じて記者席から試合を見ていた。

画像3

アウェイゴール2点に手ごたえ

 その考えは間違っていなかった。後半28分、ラファエル シルバがエリア内で倒されてPKを獲得。ラファエル自身がこれを決めてまず1点を返した。さらに39分、混戦から遠藤航が押し込み2-3に追い上げた。終盤、興梠慎三が一発退場になるアクシデントがあって、それ以上の追撃はならず2-3で終了。

画像4

画像5

 全勝対決に勝って喜んでいた約3万5千人の上海サポーターだったが、僕は心の中で「このアウェイゴール2点は大きいぞ」と思っていた。いや、どうせわからないからと声に出していたかもしれない。

画像6

 今日のテーマ、4月11日の第4戦は、1点差でいいから勝てばいい。4-3では失点しすぎだが、1-0か2-1ならば、最終的に勝ち点で並んだときに、アウェイゴール差でレッズが上海を上回る。そんな状況だった。
 ただレッズは前回退場になった興梠が出場停止。ワントップにはズラタンが入った。一方、上海も“超人ハルク”フッキが故障でメンバー外となっていた。

画像1

後半、オスカルがPK2回失敗

 雨と強風の中、試合はスタート。前回よりもボールを握ることに成功したレッズは、前半の終盤、ズラタンのパスからラファエルがゴール。先制に成功した。理想的な展開だった。
 ドラマは後半に待っていた。19分、相手のオスカルをエリア内で倒してPKを取られたが、オスカル自身が蹴ったボールをGK西川周作が右手一本でセーブした。さらに30分、何と今度はハンドを取られてまたもPKの判定。さすがに同点を覚悟したが、オスカルがまさかの失敗。もしかしてふだんはフッキが蹴っていて、PKに慣れていなかったのだろうか。そんなことはないだろう。西川の気迫と埼スタの雰囲気のおかげだと信じたい。

 そして、そのまま1-0でレッズの勝利。3勝1敗で上海と並んだが、アウェイゴール差でレッズがグループ首位となった。同じグループステージ突破でも1位であれば、ラウンド16を第2戦ホームで戦えるから、レッズにとっては大きなアドバンテージとなる。

2度目の優勝に大きく寄与した一戦

 この年、このあと10年ぶり2度目のACL優勝を果たしたレッズだったが、その大きなポイントの一つはこの試合に1-0で勝ったことだと思っているし、さかのぼれば上海とのアウェイゲームで0-3から2点を返していたこともそうだ。
 当時の浦和レッズは、ACLの勝ち進み方を十分に知っていた。

 さて、みなさんは2017年4月11日、何をして何を感じていましたか?

※この内容はYouTube「清尾淳のレッズ話」でも発信しています。映像はありませんが、“ながら聞き”には最適です。
【あの日のわたしたち~浦和レッズ30年~】は、レッズサポーターのみなさんから投稿を募っています。浦和レッズ30年の歴史をいっしょに残していきましょう。詳しくはマガジン「あの日のわたしたち~浦和レッズ30年~」のトップページをご覧ください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?