告白

『告白』 湊かなえ

あらすじ
「このクラスにいる生徒に娘は殺されました」
終業式の日、最後のホームルームで女性教師はこう告白した。そして、女性教師の犯人に対しての復讐が始まる。その方法は、犯人を見えない恐怖により、精神的に追い詰めていくものであった。恐怖は伝染し、やがて犯人は狂い罪を重ねていく。
2009年の本屋大賞を受賞した作品。

犯人が中学生だからこそ、この物語は成立していたのではないかと考える。思春期は、自己形成期間であるが故に、自分が特別な人間であり皆に認められていると過剰にアピールしたい時期である。自分を過小評価しろとは言わないが、等身大の自分を見つけることが重要であると思う。

犯人は、中学生だからこそ等身大の自分を見つけられていなかったので、今回の事件が起こったのではないだろうか?
自分が天才ではないことに気づくタイミングは、いくらでもあっただろうに。
周囲の人間を馬鹿にしなければ、母親からの間違った愛情に疑問を持っていたら、自分の才能を違う方面で生かそうとしていたら、自分の間違いを指摘してくれる人がいたならば。
何でもうまくいきすぎては間違っていることにも気づけない。
よく若い頃は、買ってでも失敗しろと聞くのはこういうことでもあるのだと感じた。

何が真実で何が嘘か分からない物語
是非読んでみてください。

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