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読書道場——初段から二段

まえがき

今から7年前の2017年。みなさんは何をしていましたか?
ぼくはその頃、最悪でした。人生という袋小路の迷路に閉じ込められているような毎日でした。
【中卒】【職歴なし】【ニート】。
ぼくにはこれらの属性がくっついてました。
こんな負の属性のオンパレードが、ぼくを自己否定的にして、毎日じぶんを呪う言葉ばかりを考えて、自虐的な思考回路を発達させました。
23歳と言えば、1浪した友人でさえ就職し始める年齢です。医学部や歯学部、薬学部へ行った友人も大学院試を控えていたり、国家試験を控えていたりで、だんだん昔のように遊んでくれなくなる年齢です。
そんな人生の悪循環を少しでも変えようと思いついた苦肉の策が、大学への入学でした。
翌年、24歳の大学一年生になってみて、人生は好転していきました。
少しずつ少しずつ軌道修正されていき、人生が明るく好転したのです。
この好転の一番の要因は読書だったことは明白です。
一言でいえば、読書によって「じぶんの頭で考える」ということを理解しました。
そこで、ぼくの読書での成長した経験を自分なりに体系化して、みなさんにも追体験してもらおうと考えました。
それが、「山門文治ゼミ」を始めたきっかけです。

背景

わが国の教育はすべて、前倒し的です。
中学では高校に入るため、高校では大学に入るため、大学では企業に就職するための予備校として位置づけられます。
この前倒し教育によって、教育の中身は形骸化します。
受験や就職が目的のために勉強は機能するので、「ご褒美」にありつければ、ハック的な方法での進級が採用されるからです。
こうした合理主義の帰結として、教養はハック的なものの対象になりました。
「教養が365日で身につく本」的なあれです。こうしたファスト教養は、データベース的な記憶をうながし、中身(あなたがそれについてどう考えたか)が空洞化します。
つまり、現代の教育は形骸化し、教養は空洞化しているのです。

しかし、ぼくは本来の教育の役割とは、「じぶんで見つけた問いにじぶんの頭で考えられるようにすること」だと思います。そして、教養とは、それを考えるためのガソリンであるはずです。たとえば、世界史ならナポレオン・ボナパルトやセントヘレナ島という固有名詞を覚えることではなく、「ナポレオンとヒトラーの違いはなにか?」のようにじぶんなりの問いを見つけて、それについて考えたり、それを誰かと話し合って、思考を深めるもの、それが教養だと思います。

スマホによって人類から集中力と忍耐力が失われているという研究結果は、どんどん示されています。次々と新しい情報が去来するSNS的世界を生きるぼくたちは、通知が鳴るたびに思考が切り替わります。
また、GoogleやChatGPTに聞けば、なんだって答えがわかるでしょう。
こうした環境にいると人は、ますます思考しなくなってしまうのではないか。つまり、現代のスマホなど便利なテクノロジーの普及は、ぼくが目指すべき「じぶんの頭で考える」の達成には、かなり障害となります。これこそが、前倒し教育の弊害だと思います。スマホ的なテクノロジーとひじょうに愛称が悪いのが、わが国の教育です。
人間には、たぶん高校卒業後に、1年か2年くらいふらふらとしている時期が必要なのではないかとぼくは考えています。それは、好きな時に大学に戻ったり、考え直してやっぱり働くみたいな考え方です。
「じぶんにとっての正解」を「社会のみんなが決めた正解」とは別に持っておく。さらに、その考えに自信をもつみたいな強靭な思考力を養う必要があります。

読書道場

読書道場では、山門文治が実際に読んだ本をレベル別で紹介します。
読書という経験は、「じぶんにとっての正解」を見つけるための思考力を養うのにひじょうに役立ちます。
読書をする過程で、以下の恩恵を被れます。

・強靭な思考力が身につく
・さまざまな思考に触れる
・読解力が飛躍的にUPする
・コミュニケーション能力が上がる


初段

初段では、以下の3冊を必修図書とします。
これのら本は、本の読み方の本です。
つまり、本の読み方をメタ的に攻略します。

齋藤孝の「読書力」は、最初の1冊として優秀です。
3色ボールペンによる色分け方法など実践的な読書術の紹介もしていますが、本を読むことの意味について、最後にはコミュニケーション力に読書力が直結する理由を雄弁に説明しています。


「仕事につなげる技術」としての、かなり実践的な読書術を紹介しています。
中でも、数冊同時に読むことを推奨したり、「わからない場合は10ページ飛ばす」など、常識的には型破りな方法をいくつも紹介しています。しかし、実践してみるとめちゃめちゃ効率的に読書ができるようになりました。
また、メモアプリの活用方法なども具体的に紹介しているので、スマホを活用する読書術などによってさらに広がります。


この本では、スローリーディングやリリーディングという速読とは真逆の読書術を紹介しています。
好きな本を何回もゆっくり読むほうが、よっぽど豊かな教養として血肉となります。速読(速読的なもの)が求められる昨今に、かなり説得力のある説明で、そのあたりが説かれているので、気になる人はチェックしてみてください。


二段

二段では、6冊あるうち3冊を読んだらクリアとしましょう。
ただし、このあたりから数珠つなぎ的な読み方を始めます。
数珠つなぎとは、選んだ1冊の中から次読む1冊を決めるという方法です。それは、「参考文献に載っていた」「筆者が文中で紹介していた」「なんとなくタイトルが似ている本を選んだ」などなど。
理由は厳密である必要はありませんが、1冊読みながら次は何を読もうかなぁと検討をつけながら読んでください。
読書は、筋トレみたいなところがあるので、毎日ちょっとずつでも継続したほうがいい鍛錬がいる競技です。
継続しやすくなる工夫を自分にしましょう。そのための工夫が数珠つなぎ読書になります。

【ご注意】
以下の有料の内容は、100円でも購入できますが、「山門文治の作家の仕事」という有料マガジンを購読してくれたら、読むことができます。
さらに、山門文治ゼミへの無料参加権も特典として付与しています。
くわしくはコチラをチェックです。

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