卒業式で凹んだ話

先日、僕が講義を担当する広告デザイン専門学校で、卒業式がありました。

式では、校長に続いて、2名の先生が祝辞を述べました。僕はその2番目。親しい先生が校長と僕の写真を、SNSにアップして下さりましたが、「話が長いツートップ」と題されてしまいました。

さて本題はここからです。

新型コロナウイルスの影響が明けて、今年は本格的な卒業パーティーがありました。こうした会ができることも、あらためて良いことだと思います。

パーティーでは、時間が進むと、学生さんは色々な先生のところへ行って、めいめいに思い出話などをします。「先生の授業楽しかった〜!」とか「あの課題が大変だった」などという話が聞こえてきます。
大学で教えていたときは、ゼミで卒業証書を渡しますから、ゼミの学生さん達と色々な話をしますし、謝恩会では、多くの親しい学生さんと話しました。
しかしこの学校では、このとき、僕のところへ来る学生さんは殆どいません。

実技中心のデザインの学校で、僕が担当するのはロジカルシンキングとマーケティングです。ロジカルシンキングはともかく、マーケティングは基本的に講義で、ほぼ唯一の完全な座学ですから、学生さんにとってはかなり大変です。それでも、やはり目的意識がしっかりしている学生さん達ですから、熱心に受講してくれますが、楽しいものではないでしょう。

以前も書きましたが、教材は僕が自分で作った書き込み式のものを使用しています。他のデザイナーの方や、ある程度より上の歳の方からは、「デザイン専門学校でこれを勉強できるなんてスゴい」と言って頂くことも少なくないのですが、学生さんに感じてもらうのはなかなか難しいです。

これまでにこの学校で、僕が講義で説明した分析を行って、コンペで良い成績を残せたと言ってくれた学生さんや、研究生として学校に残り、結局3回、マーケティングの講義を受けてくれた学生さんもいましたが、これはかなり稀なケースです。
僕自身、僕の講義が役に立つのは、早くても数年後、デザイナーとしてそれなりに仕事ができるようになってからだということは解っていますし、学生さんにもそのように伝えています。

とは言え、やはり他の講義のような楽しさはないでしょう。

パーティーで、他の先生方と話していると何人かの学生さんが来ました。その中に、マーケティングの講義で、とても熱心に質問してくれた学生さんがいました。

話の流れで、「僕の講義は実技じゃないから、ある意味で1番大変だったかもしれないけど」と、話したところ、、、

この学生さん、重い顔になって、ボソッと1言、「あ、スゴくキツかったです。」と。

いや、そんな顔をしなくても、、、

本気でちょっと凹みました。

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