J1第18節 vs名古屋

リーグ戦6試合ぶりの湘南圧勝!!!

スターティングメンバー

リザーブ:GK松原、DF小野田、MF秋野、MF松田、MF鈴木冬、FW野田、FW山口

(前半まとめ)
・名古屋に起きたアクシデントにも助けられ、待望のゴールが生まれる。
“良い時のベルマーレ”、を久しぶりに出せた。

ベルマーレはこの試合が始まるまでリーグ戦5連敗中、4日前の天皇杯ではJFLのヴィアティン三重にホームで0-4と大敗する最悪の結果に終わってしまい、公式戦7試合勝ちなし、となっていた。

とは言うものの、実は名古屋もリーグ戦で6試合勝利に遠ざかっており、天皇杯ではベルマーレと同様に格下と見られていた鹿屋体育大学に0-3で敗れる憂き目に遭っていた。

どちらも勝利が欲しい試合ではあったが、幸運だったのはアウェイのベルマーレの方だった。
開始してすぐにベルマーレの山﨑凌吾と、名古屋の丸山祐市が激しい接触プレーを行うと、負傷あがりの丸山が報道で伝えられていたところとは別の箇所を痛め、ピッチを離れてしまっていた。

ゲームキャプテンで、なおかつセンターバックの選手を一時的に欠いた名古屋にできた隙を見逃さなかったベルマーレは、金子大毅の素晴らしい展開から、右サイドの古林将太のクロスを山﨑凌吾がスルー。すぐ後ろにいた齊藤未月が右足でシュートを流し込んで、開始5分で早くも先手を取る。

その後、丸山祐市が負傷交代を余儀なくされて相馬勇紀を入れた名古屋は開始時の1-4-4-2システムから、1-3-4-3システムに変更し、選手の配置が相手チームの選手と鏡合わせになる“ミラーゲーム”作戦に持ち込む。
配置上は1対1の争いになるため、選手の質で上回る名古屋が武器だろうと素手だろうと相手を殴りまくる“ヤッヒースタイル”でベルマーレゴールに迫るものの、この日のベルマーレは良い時のベルマーレに現れる“身体張りまくりましょうタイム”が全体によく浸透しており、名古屋のシューターを好きにさせない闘い方で前半を持ちこたえてみせた。

(後半まとめ)
・ようやく戻ってきた“GET3精神”。
“黒子の金子”が試合を決めてみせた!

後半に入っても名古屋の勢いは止まらず、再三に渡ってベルマーレゴールを脅かし続けた。
名古屋の右サイドからは前田直輝、左サイドからは相馬勇紀がスピードとアジリティーを活かしたドリブルで仕掛け続けたが、ゴール前にクロスを上げられてもフレイレ、山根視来、大野和成の3バックを中心に、“身体張りまくりましょうタイム”、を前半から継続することができた。

古巣対戦で気合いが入っていたのか、少し脚を痛めてしまった古林将太に変わって入った鈴木冬一も及第点のパフォーマンスを見せていたし、出場時間が少ないながらも松田天馬、野田隆之介は自らのすべき役割を果たし、チームの勝利に貢献していた。

チーム全体として、どう勝つのか。
選手個人は何をやるべきなのか?


今節の試合は、この辺りの部分が非常に明確になっていて、一切の迷いも感じられなかった。

時間の経過と共に、名古屋の攻撃にも焦りが出始めたのも、ベルマーレ的にはかなり都合が良かった。

そして、後半37分にベルマーレにとって待望の追加点が生まれる。
左サイドでドリブルを仕掛けた梅崎司が蹴ったボールが一旦は名古屋の宮原和也に拾われるも、宮原と、すぐ近くにいたエドゥアルド・ネットとの呼吸が合わず、宮原の出したボールはネットのすぐ横に居た金子大毅がボールを掻っ攫っていった。

ボールを奪った金子はファーストタッチで名古屋ペナルティーエリア内へ侵入。
狙い澄ましたシュートは名古屋GKランゲラックをあざ笑うかのような見事な弾道のシュートがゴールネットを揺らし、決定的な2点目をベルマーレが挙げてみせた。

この日の金子大毅のプレーのクオリティはただ単純に素晴らしかった。
まだまだ細かいミスはあるにせよ、ミスをしても自分で取り返しに行ったり、1得点目につながる展開力、2得点目を突き刺してみせた瞬時の閃き…

個人的にはベルマーレの選手の中で一番のフットボールセンスの持ち主だと思う金子大毅が復調してきたのは、個人にとってもチームにとっても大変有り難いことである。
“黒子の金子”、として高いクオリティーを放ち続けることが出来たら、ベルマーレが勝ち点を積み重ねていける試合は間違いなく増えていくだろう。

(総括)
・後半戦最初の試合を勝てたのは非常に大きい。
だが、これで満足をしてはいけない。

ベルマーレとしてみれば、今節の試合に勝てたのはチームにとって非常に大きかった。
なぜならば、結果と内容によっては、“チョウキジェのベルマーレラストゲーム”になっていてもおかしくないくらい、チームは追い込まれていたからだ。

その重圧を跳ね除けてみせたチョウキジェ監督はじめスタッフの努力もやっと身を結んだ感じに見えるが、これで後半戦もイケるぜ!、という甘い思想は、チョウさんを思いやることを考えてみると持たない方がいい。

浮かれた気持ちで次の試合に臨んでしまうと、必ずと言っていいくらい、手痛いしっぺ返しを喰らうし、次の対戦相手のヴィッセル神戸はベルマーレが勝ったことによって余計に警戒を強めてくるかもしれない。
ダビド・ビジャ、アンドレス・イニエスタといった世界屈指のクラッキ(名手)がいて、前半戦の試合で2得点を叩き込んだウェリントンも気合い充分で平塚に乗り込んでくることだろう。

今節の名古屋以上に、隙と時間を与えたら確実に突いてくるチームが相手なので、勝ちに行くなら名古屋戦以上のプレーのクオリティーを出さないと、試合は難しくなるだろう。

今回の名古屋戦レビュー、最後はこの4つの言葉で締めくくりたい。

Stay hungry,Stay foolish
(貪欲であれ、愚かであれ)

Stay storng,Stay postive
(強くあれ、ポジティブであれ)

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