天皇杯2回戦 vsヴィアティン三重

公式戦6連敗だぜ!!!!!!

スターティングメンバー

リザーブ:GK松原、DF大野、MF梅崎、MF松田、FW野田、FW鈴木国、FW武富

福島隼斗、柴田壮介の10代プレーヤーに加え、高卒2年目の新井光がルヴァンカップのアウェイ札幌戦以来の先発を果たす。
負けが込んでいる状況もあってか、ほぼガチメンバーの構成で臨んだ。
(主力級で居なかったのは山根視来、杉岡大暉、齊藤未月、鈴木冬一、山﨑凌吾、岡本拓也、坂圭祐くらいか)

(まとめ)
・対策をされるとJFL相手のチームにあっさり負けちゃうベルマーレ。
痛々しくて悔しくて情けないけど、これが現実。

ベルマーレと対戦したヴィアティン三重はJFL(4部相当)のカテゴリーに属しているチーム。
前半からベルマーレは三重に圧倒的に勝てるであろう部分のひとつ選手の質の差を見せつけて一気に三重ゴールに襲いかかった。
だが、得点を奪うことは出来ずに、流れは徐々に三重に引き寄せられる。

ベルマーレの攻撃を喰らう場面はあったが、三重の選手たちはかなり落ち着いて試合に入っていたように見受けられた。
全体的な質で劣るチームが番狂わせを起こす、いわゆるジャイアントキリングを成し遂げることにおいて、三重はジャイアントキリングの段階をまずひとつクリアしていた。

そして、次に三重が行ってきたのが、相手チームへの“有効な対策”を愚直なまでに遂行すること、だった。
三重はあえてベルマーレにボールを持たせて、スペースを消す守備陣形を組織しながら、隙あらばカウンターへ持ち込む方法を形成していたのだ。

三重の基本システムは1-4-4-2だが(写真1枚目)、ボールを相手が持った時は、4バックの左サイドバックの選手(32番)が中央へスライドし、中盤の左サイドハーフだった選手(18番)が、最終ラインへと下りて左ウイングバックの位置に入る。
18番の空いたサイドハーフの位置には2トップの一角の選手(10番)が移動。
主に三重の左サイドの選手たちがそれぞれの位置にスライドして、1-5-4-1の守備陣形を作り上げて、とにかくベルマーレの攻撃をやらせないように努めていた。(写真2枚目)

青→ベルマーレ、赤→ヴィアティン

三重としては、湘南の右ウイングバックの古林将太に良い状況でクロスを上げさせないこと(コバショーの最大の売りはドリブルからのクロス)、湘南の3トップには縦パスを入れられたとしても、その後の攻撃を展開させないように、とにかく攻撃の流れを妨害すること、この2つを質の高いレベルでこなしていた。

特に、三重の32番の井上丈は、柴田壮介、山口和樹のシャドーコンビが入れ替わり立ち替わりで自分とのマッチアップに来たとしても、デュエルで臆さずに挑み続け、柴田壮介を前半40分でピッチから追い出す大仕事をやってのけた。
柴田と変わって入った野田隆之介相手にも全く屈することなく対峙し、後半になってからは直接ボールを奪ってカウンターの起点にもなっていた。
個人的には、この試合のヴィアティン三重の最大の発見とも言える選手だった。

そして、三重はボールを奪ったらほとんどの場面でベルマーレの最終ラインの裏のスペースへボールを蹴って、ワントップの位置に入っていた6番の坂井将吾を走らせていた。
この攻撃の最大の利点は、ベルマーレの最終ラインを押し下げることもそうだが、スピードに難のあるフレイレを走らせて、ベルマーレの最終ラインと中盤の間のスペース(バイタルエリアともいう)を出来る限り広げる、そんな狙いがはっきりしていた。

ベルマーレ側の攻守においてのミスも重なったこともあったが(公式戦4試合連続で同じような崩され方をされている)、この試合は坂井将吾のハットトリックと、守備のタスクを確実にこなした北野純也のダメ押し弾を含む4得点を2トップが挙げて、ヴィアティン三重が勝利を収めてみせた。

自分たちがボールを持たれている時は、相手にスペースを与えずに、攻撃の為の守備を行う。

自分たちがボールを持ったら、相手の守備陣形を崩しながらスペースを創り出して、守備の為の攻撃を行う。

サッカーの原理原則を確実に踏襲して、勝つ為の準備を行なってきたのは、紛れもなくヴィアティン三重だった。


任務を遂行し続けた選手たちも素晴らしいが、その選手たちに試合をちゃんと闘えるように策を授けた上野展裕監督の手腕は手放しで称賛できる。
ヘッドコーチの阪倉裕二さんも一役買っていたのは間違いないだろう。
Jリーグでの監督、コーチ経験の豊富なこの2人がベンチワークに携わっていたことも、今回の三重の勝利には大きく繋がっていたはずだ。

“必然”のジャイアントキリングをここまで清々しくやられてしまうと、かえって気持ちが良い。笑


それに、地元三重からバスツアーやら新幹線やら何やらで、平塚に集まった約200人?のサポーターさんたちは、まさに“12番目の選手”として、チームを後押ししていて、クラブの偉業達成に大きな貢献を果たした。
サッカーへの過ごし方もとても初々しくて、老若男女問わずにクラブと生きているアットホームな雰囲気は、側から見ていて正直羨ましかったし、ベルマーレサポーターの自分としては複雑な心境ではあるけれど、純粋に拍手を送るに相応しい振る舞いをヴィアティン三重は見せてくれたように思う。

今のベルマーレが忘れかけているものを、ヴィアティン三重が思い出させてくれる、そんな予感しか今はしてない。笑


最後に、ラスト10分で、ベルマーレ平塚OBの和波智広が出てきたのには、なんだか嬉しかったなあ。

調べてみたら、Jリーグにおいて、“ベルマーレ平塚”の最後の得点者が和波智広だったらしい。
ベルマーレ平塚がなくなってしまったのはちょうど20年前の1999年。

それから20年経って、生まれ故郷のチームの一員として和波智広が平塚競技場のピッチに立つことが出来たのは、すごい巡り合わせだなあ、って思う。

これからも頑張れヴィアティン三重!!!
陰ながら応援してます!笑

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