読書日記(2023.10.18) 社公民路線

『日本共産党-「革命」を夢見た100年』 中北 浩爾 中公新書

P.284に社公合意のことが書いてあった。

社公民路線(しゃこうみんろせん)とは、1960年代から1990年代における日本政治で、日本社会党公明党民社党と共に自由民主党に対抗して共闘する戦術あるいは戦略を指す。

ウィキペディア 『社公民路線』


一九八〇年に入ってそうそう、共産党は大きな衝撃に見舞われる。一月十日、社会。公明両党が連合政権構想で合意したのである。
社公合意には、現状では共産党を「政権協議の対象にしない」という一節が盛り込まれていた。

『日本共産党-「革命」を夢見た100年』 中北 浩爾 P.284-285


共産党も含んだ野党共闘ということが、ここ何年か言われているが、この野党共闘には歴史があって、政党は違えど、同じ形式によって何度も反復して現れる、「共産党との連立の可能性と不可能性」が、この本には、詳しく書いてあった。

私は立憲民主党、社民党、共産党による野党共闘というのは、ポイント・オブ・ノーリターンである。

政権交代した場合に共産党を連立政権に入れるのかという問題一点に、社民・立憲民主が消滅するか、共産党が消滅するか、という根本的な地殻変動の可能性があると思う。

その歴史的な経緯と考察が、この本にはコンパクトにまとめられていて、いい本だなと思った。

私は日本共産党を支持する気は全くないが、左翼が日本共産党に対して抱きがちな、うっすらとした期待というものの根拠のなさを、あばき立てることは、反共ビジネス保守のポジショントークをあばき立てるのと同様に、大切なことだと思う。

どっちもどっちのDD論じゃないかと思われるかもしれないが、政治活動の主な目的は、組織化した政治活動の意図を、まずは有権者がその都度、しっかりあばき立てることにあると思う。

(おわり)



お志有難うございます。