[再掲]よりよく生きる方法

真夜中に乗った船は街の明かりと暗闇だけが
静かに流れていく景色。
甲板から見上げる空は少ない光と真冬の澄み渡った空気も手伝って
見渡す限りの星空だった。

慌ただしさを断ち切って、小豆島へ向かう船の中。
プツリと切れた緊張の糸で混雑する船内で深い眠りに落ちた。
朝方、高松を経由して小豆島には7時半につく。
ちょうど6時頃に高松で半数を下ろし、その音で目覚める。
空はまだうっすら明るい。タバコに火をつけて少しずつオレンジ色になる海を眺めていると心に重くのしかかっていた色々なことがふわりと瀬戸内海の風に飛んで消えていったように思えた。

エリエス荘で寒い!美味い!と笑いながら食卓を囲む面々を見て、
小豆島に来なければ出会うことも一緒に笑うこともなかったのかと思うと
この出会いとつながりが愛おしい。
例えば、自分の住む街を歩いて横切る人は他人だ。
でも、どこか何かのきっかけで他人じゃなくなることもある。
あんなに僕らの町には人が溢れているのに、
そのきっかけがとてつもなく少ない。
僕が住む茨木より、小豆島の方がたくさんの友達がいる。
子供からおじいちゃん、おばあちゃんまで。

温泉につかりながら瀬戸内海を眺めていると
僕の倍以上生きてるおじいちゃんと仲良くなった。
1時間近く湯に浸かったり冷ましたりを繰り返してる間に
なんどもハッとさせられるような言葉をもらった。
この人の言葉を聞くために小豆島に呼ばれたんじゃないかってくらい。

夜は皆で鍋を作って、溢れんばかりの酒を飲んで
代わる代わる人がきて、幸せな時間を過ごした。
タバコを吸いに外にでて小雨が降る真っ暗な海を見ながら
少しばかり見誤っていた自分の身の丈を反省した。

多忙に任せて関係性が希薄になり、
お金は増えても、誰かの思い出は増えてなくて
何か色々なものごとがずれ始めているときに
深呼吸するように誰かのタバコを深く吸って吐き出す。

根元がずれるから手元が大きくずれるのだ。
お風呂で出会ったおじいちゃんが、
「優しくあること、自分自身を勘違いしないこと、これを守ればよりよく生きれる」
と言葉をこぼすのだ。余すことなくすくわせていただいた。
何を察してるわけでもないだろうけど、
二倍生きてるとわかるものもあるのかもな。
何も考えてないかもだけど、そういう人にそういう言葉を与えられる人になりたい。

何かが違うな。
と思ったときは、自分がまちがっている。
それに気付けないと、ずっと間違ったことが起き続ける。
それはまさに自分は心で正しいと思っていても、
受け取る自分の姿勢や向き合い方がズレている。
ズレて受け取った玉を無理やり投げ返すから、
狙った場所に玉が向かない。すごく単純なことだ。

人は、というか、僕は、
そういった単純明快なそもそもな物事ほど
見失いがちだ。

小豆島は故郷でもないのに
故郷のようにいつも原点に引っ張り戻してくれる。
それはたぶん、この島に住む人たちの生き方が
僕なんかよりずっと正しいからなんだと思っている。
それは僕から見た正しさだけかもしれないけれど。
僕にとってはヒーローのようにあるべき姿の教科書のようなのだ。

有名無名関係なしに
「かっこよさ」や「優しや」さ「厳しさ」を持ってる。
早朝のフェリーに揺られて遠くなる小豆島に光がかかって
今年もお世話になりました。
また来年も来るね、と心の中でつぶやいた。

今年一年の終わりに泥酔しながら背筋を伸ばす最高の1日でした。
さて、おそらくこの投稿が今年のCNTR最後のポストかもです。
マイペースさを全然緩めない小さいメディアですが来年もよろしく。
来年はもっとカッコよく生きたいわ。
それでは、よいお年を。

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