見出し画像

儲けを考えないプロジェクトの重要性

とうとう明後日、僕がプロデュースする音楽公演が開幕します。
去年からスタートした夜の図書館での小さな音楽公演。キャパも100人。
もうこの時点で儲けなんか無理なんです。興行やってる方やイベント主催してる人なら、すぐわかると思う。

今回のゲストには青葉市子さんをお招きして、この夜だけの異空間を夜の闇に立ち上げます。昨年同様、音響には奈良のsonihouseさん。音の魔法使いみたい。どこにいても、そこにしっかり音が満たされている。なんか音に触れれるんじゃないかってくらい質感を感じる。

今回の演出は、いつもお世話になっているVOGAに依頼。
もう完全に信頼しきってお任せしている。空間イメージのカンプをもらって流石の一言。こうやって一緒に仕事したいなぁとずっと思っていたので、実現に至ることを心から僕が喜んでいる。

そして、この企画自体、僕がやろうよ!って無理かもなーと思いつつ、相談に行ったら是非やりましょうと答えてくれた京都府立図書館。あの場だから、一緒にやりたいと思ったんですが、もうこのプロジェクトを一緒に考え作ってくれている大切なパートナーです。

そして、今回来場した方にしかわからない特別なものを仕込んでいるんですが、その印刷と制作相談で京都の印刷所「修美社」さんに協力いただいてます。もうムッチャいいの出来たから!楽しみにしてて来場者。

そして、総勢10名のボランティアスタッフ!打ち上げ奢るしか出来なくて申し訳ない!みんなの協力で明日から仕込みでグッと仕上げて来ます。

これは仕事なのか、なんなのか?大人の本気出した遊びという方が正しいかもしれない。この仕事で僕は1円ももらわない。驚かれる人も多いはずだ。このプロジェクト自体にかけてる時間は結構膨大だ。

プロデュースフィーのお話もちらっとあったが、そこは辞退というか、いらないっすって僕が決めて、僕が言った。今までほぼ100%の仕事は対価が発生している。誰かのお金で何かを作る。とても普通なことのようでいて、ちょっとひっかかりがあったのが去年のことだ。

自分のお金でやりたいことをやる。この大切さを考えた。クライアント側の立場にならないと、これ以上成長がないなとも思っていた。なので、この公演ではチケット収入は協力いただくチームや出演いただくアーティストへ支払うとゼロ円というか、結構な金額が赤字になる。自分でもバカだなぁと思うけど、他で仕事はしているし、対価もいただいている。そこで増えていく会社の残高みてると、いいんだけど、ちょっとダサいなんて思っている。

京都の文化には色々と教わった。学生の頃から住んで東京時代を抜けばそろそろ10数年この街にお世話になっている。Nue incという法人格は利益を溜め込むだけの会社じゃなくて、しっかり文化に貢献していきたい。うんこれは僕にとってのCSRだったりする。

と同時に僕は音楽公演のプロデュース経験でいえばゼロに近い。去年の1回とかそんくらい。もっと大きな挑戦もしたいし、これは勉強代でもある。

地味な内職や準備に汗を流す。それ、松倉さんやる仕事じゃないですよってめっちゃ言われるけど、おれはやる。この世界で言えば新人と一緒だからさ。老けた新人だけど。この作業なんだろ笑って思いながら、細かい仕事を黙々としていくと、目の前に一夜だけ出来上がる特別な時間が、しっかり自分たちの手で生み出したものだっていう実感がある。これが経験か。って去年思ったの。

あと唯一、意固地になって守っているのが、このプロジェクト実現に協力してくれた技術者にはしっかりフィーをお支払いするってこと。ボラスタも総勢10名でお酒で返す!って感じにしかまだ出来なくて申し訳ないんだけど。デザイナー、音響、美術、自身の創作力でこの空間を生み出すことに貢献してくれた人にはしっかり対価をお支払いする。僕が赤字だから、タダでやってなんていうのは絶対ダメ。来年はボラスタを卒業して、バイトとして相談できるように精進する。

自分でことをおこす。自分のお金で実現する。その感触を確かめる。儲けなんてないように見えて、お金じゃない経験というところは大儲けである。
今回の経験を通じて、次もっと大きなことに挑戦したい。今はその助走期間。



いただいたお金は子どもに本でも買おうかと思ってます。