見出し画像

出来ることはある。


「もっと近くに来て。
離れると胸が張り裂けてしまう。」



僕よりも少し背が高い、
スレンダーな身体。

それでいて足元は
しっかりしてて肉感的。


今僕はこの子から
離れるわけにはいかない。

今は一時も離れられない。





点滴 台子さん(年齢不詳)


改めまして。

僕はケアマネージャーをしている。
いや。していない。

なんだそれ。

厳密に言うと、できていない。


入院、しちゃいまして。


今辛いのは、
ゲップが怖いことと、 
点滴台子さんと離れられないこと。



ゲップ。
それは不意に出る。
出た時に術後部位が激痛なのだ。
ご飯を食べたくなくなる。
ゲップが出るから。


点滴台子さんとは
この入院中に出会った。
ワンナイトのはずだったのに
「やっぱりあなたのことが
 忘れられないの!」と
追いかけてこられ今に至る。
今も僕の脇腹に
しっかり指を食い込ませて離さない。
うん、めちゃ痛いね。



手術が終わって、
あとは経過を見て帰るだけ。
8日には退院してるはずだった。

でも術後の経過が良くなくて
退院許可が降りない。


復帰後の仕事の段取り
プライベートの予定

いつ退院できるかわからない限り
どうしようもない。

同僚にも負担をかけ続ける。
相方にも待ってもらうしかない。
焦る。
でもどうしようもない。



そもそも、医師の説明では

入院は確実。
手術しなければ
自然治癒を待ち続けることに。
手術してしまえば、
退院日が明確になる。

って説明だったのに…

だからミュージカル諦めたのに…

一緒じゃないかよっ!
どっちだって空気漏れてんだろ?!

だったら(退院)
まだわかんないじゃないかっ!!





はい、これ危険なやつ。
そもそも…って言い出す時、
だいたい良くないやつ。
ルビッチ使って悪ふざけしたいだけのやつ。




今更「そもそも…」とか言っても
全く意味ない。何も産み出さない。

お医者さんだって、
わざと困らせてやろうと
思ってるわけない。
治そうと思って考えてくれた。
想定外のことが起こったんだろう。


だったら?

だったら?

その中で、今の環境で、
自分にできることを見つけて

やる。

これだけ。



今僕にできること。

ご飯をなるべく食べること。
ゲップをそぉっと出すこと。
台子さんを忘れないようにすること。
この状況を面白おかしく書くこと。
コソコソやってるブログを進めること。
プペルミュージカル大阪チームの飲み代を支援する事。

できることいっぱいあるじゃん!
#いけなかったミュージカルの飲み代の支援
#カッコ良すぎて禿げる




いま、職場も大変で。
同僚にむちゃくちゃ負担をかけている。

すまん、同僚よ。
今は頼ることしかできない。

帰った日には、
それはもうびっくりするくらい
手伝うから!

迷惑かけましたっつって
ちょっといい感じのお菓子
買っていくから!

もうちょっと待ってて!





今回、落ち込んでた僕が
ふとスイッチを切り替えれたのが

多分今日入院してきたんだろう、

「帰らせー!!帰らせー!!」

って繰り返すおばあちゃんの声。
フロアに響き渡っている。
その声を聞いて、
「あー、早く治して仕事行きたい」って、
切り替えさせてくれた。

おばあちゃんありがとう。
(でももううるさいから寝てね。)
(一晩中はちょっと堪忍してほしい。)


さて、
明日良くなってますように。
なってなかったら、
また何か進められますように。


おしまい

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?