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形見の品

どうも、ねずみです。
ケアマネジャーをしています。

去年の一月、
ばあちゃんが亡くなりました。

突然なにを言い出すのか。
まぁお聞きください。
ただの日記です。


ばあちゃんは、
102歳で亡くなる直前まで歩き、
物忘れはあるものの、
営んでいた駄菓子屋の店番もしていました。

ばあちゃんの子供たちが
交代で生活を支えていて、
「素敵な在宅生活だなぁ」
としみじみ思っていました。




ばあちゃんが亡くなり、
店と家の片付けが始まりました。


ばあちゃん家の前を通ると
いつも大きなゴミ袋が5,6個出してあり、
なにもしないのが心苦しく、
たまに庭の片付けを手伝っていました。


その庭の片隅に、
茶色く、丸い塊がありました。

(これは…植物だな?
枯れてるのか?
でも緑の部分もあるなぁ…)

なぜかずっと気になっていました。




先日、
父と母と庭の片付けをしている時
父がふと
「このイワヒバ、おばちゃん持って帰るんやって」
と言いました。


(へえ。イワヒバって言うのか。)


(やっぱり生きてるんやな。)


(ふーん。持って帰っちゃうんか。)


(ふーん。)

(イワヒバかぁ。)







ひとつ、もらいました。笑

もらってきた時。


なんか面白くありません?
きゅーっとなって枯れてるみたいだけど、
緑の部分もあって、
生きてるんだよなぁ…?
って不思議に思うんです。



なにか、ばあちゃんの思い出が
欲しかったんだと思います。



枯れているようで
確かに生きている。

特に可愛いわけじゃない。
目立ってキレイなわけじゃない。
#ばあちゃんごめんて

じっと丸まって、
何かを我慢しているよう。

でも、ちゃんといのちを感じる。
そんなイワヒバ。




じいちゃんが仕事をしないから
ばあちゃんが駄菓子屋を始めました。

それで子供を4人育てたばあちゃん。

じっと我慢してるけど、
ちゃんとやることやってる
ばあちゃんみたい。
そう感じたのかもしれません。

僕はじいちゃんも
ばあちゃんも好き。



ちなみにじいちゃんからは、
腕時計をもらってました。

キレイな緑の文字盤の、
電池交換しなくても
振ったらずっと動くタイプ。


若い頃は職人をやってたじいちゃん。
駄菓子屋では
あまり仕事をしなかったじいちゃん。

ほっといたらずっと動かず、
でもやる時はやるじいちゃん。


じいちゃんの形見は腕時計。
ばあちゃんの形見はイワヒバ。

両方とも
特に目立ったものではありません。
高価でも、貴重でもありません。


でも、
もらえてよかったと思っています。







ちなみに父曰く、
「水しっかりやったら開くで」と。
家に持ち帰り、早速水をあげました。

ほんと、開いた。


若い時は、
ばあちゃんもこんな感じだったのかなぁ。


なんて事のない
ただの日記でした。

おしまい

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