すけこう

ちょこっとLOVE

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最近の記事

特急電車のように歩く僕×君は鈍行a.k.a.普通列車

「店頭で転倒」 大丈夫ですか!?と大きな声を出した淑女は家から纏っていたその可憐さや麗しさを一旦隅に追いやって僕のことを不安がった。 手に持っていた夕暮れ色の大きめのコートが不意に風で踊る。 もう夏なのに。 コートって。 手は湿っていた。その手の湿り気や指紋に介在した水分を伝って確実に淑女を、光を感じた。 もう夏なのに。 コートって。

    • 微笑ラテ、微笑抜き

      何かの覚悟を持って、君の額に銃口を突きつけたんだけど君は熱が出ていて熱さまシートをしていた。 銃口の冷たさで解熱できたらいいのにとか僕が冷たくしてあげるとか、そんなことを思ってたけどやっぱり小林製薬に失礼だなと思って僕はサコッシュに拳銃をしまった。 街を歩き出した。 5歩歩いた後に振り返ると君は見えなくなっていた。あまりに足が速い。僕はふとボルトを思い出してあのポーズを街路樹に隠れて、した。 セグウェイの倒れる音が、した。 木漏れ日が、見えた。 君の影を、覚えていた。

      • バカタレ論法

        僕はふと「馬鹿野郎」と嘆いた。 嘆いた結果、その「馬鹿野郎」が大気の空白に虚ろになって溶けて消えた。 どうしようもなくその「馬鹿野郎」を探しに行こうと思ったけど、やめた。 めんどくさいなぁ。 光を買いに行こう。 光を。 光は何屋さんに売っているんだい? 君は敬称略で「そごう」と答えた。 僕はその日初めて君を呼び捨てした。 「そごう」のように。 「そごう•西武」 光を没頭する。

        • 謹賀新年

          「あけましておめでとう」と言われても僕は喪中。 毎年喪中な気がして仕方がないが実際そういうわけでもなくて、ただ隔年で身内が死んだりしたり、誰かしらの法事も年一であったりするから何が何だか分からない。 喪中 いつまでも旅の途中 寝起きの深呼吸 ラストオーダーですか? じゃあ人数分のサルサソースを。 僕は辟易して手に持っていた256MBしか入らないMP3プレーヤーを耳に近づけた。 音が無い。僕はイヤホンが無かった。 卓上には空になったグラスが二つあった。 持ち上げると古い

        特急電車のように歩く僕×君は鈍行a.k.a.普通列車

          足が回転する

          窓が「サヨナラ」を叩いている。 うるさいなぁと思ったので僕は窓を強く叩いたけど「サヨナラ」が繰り返した。もう一度叩いたら手があっという間に充血したので早速スタンスミスを履いてコンビニにファミチキを人数分買いに行った。でもファミチキが無くてつくねを棒に突き刺したやつしか無かった。 棒が先か、つくねが先か。 そんなことはどうでもいいのかなぁ。 僕はバーコード決済した。決意の夜に。 棒つくねを貪って、残った棒を咥えながらあの夕暮れに向かってダッシュした。 時計を見たらまだ正午。

          足が回転する

          全日本「大したもんだ」選手権

          僕は準優勝だった。準優勝は敗者に与えられる最高の栄誉である。ただ僕は敗者であることに変わりなかった。どこかで「自分は勝者」であるというアイデンティティを見つけたくて、散らかったシンク下を覗いたけど珍妙な捻りを決めたパイプがどこか際立って見えた。パイプの捻りとかウネりを見ていた。でも視界の中にはその捩れや歪みとかじゃなくて真っ直ぐとカップヌードルBIGシーフード味があった。BIGな男になりてぇという志を与えしそのインスタント食材を手に取った。その日のことを忘れないようにカップヌ

          全日本「大したもんだ」選手権

          大破したUSO

          これはHONTOUの話なんですけど、僕が小学生の時に空から固形の雪?雹?が降ってきたんです。 それで僕はとてもびっくりして大破したんです。大破。 HONTOUにびっくりしたんですよ! TAIHAってわかります?粉々になったんですよ僕 じゃあなんで僕は今ここにいるかって? いませんよ。だってTAIHAしてますから。 これはHONTOUの話ですからね!?

          大破したUSO

          雨を呼ぶ

          雨が降ってきました。 僕は降られました。雨は僕に降りかかりました。 アメリカ行きのチケットを買いました。 アメリカは来られます。チケットは僕に買われました。 蛇が孤独になってトグロを巻かせたとしても、 夕凪が語りかけることはない。 夏は太陽の季節。冬にも太陽はある。 志高く旅に出る時にまずタクシーに乗るやつなんかいない。 冒険するのに荷物に化粧水はいらない。

          肉の日

          29日 閏 2月29日 憂 肉の日が背中を叩く。大きく。 僕は片膝を大地に押し当てて白い前を見ていた。 肉の日が背中を殴打する。小さく。 片膝が地球と一体化した。 僕はほっとして自宅でしているようにうつ伏せになり映え渡る大地に腰を蠕動させ快楽を求めた。一人で。 「床オナ」は「地球オナ」にした。 時が経ち、ズボンが泣いている。僕は乾き切ったが。 ずっと孤立無援だ。

          脳が満ち足りる

          脳が満ち足りた、という言葉。 という言葉を思い出すたびに海岸線を突っ切るように煮え切らない笑顔を見せたショーケースに映り込む知らない顔を思い出す。 煮え切らない笑顔、という比喩。 という比喩をするたびに僕はひとり、吉野家のカウンターの隅にこびりついた紅しょうがを見て「赤」を心の中に宿す。 バカだなあ。 バカは繰り返す。それはひとえに甲子園のように。 また次の夏が来る。 センバツでも良いなら春だって構わないはず。

          脳が満ち足りる

          2023年に行ったお笑いメモ

          1/4 シシガシラno寄席@ヨシモト♾️ホール 1/7 囲碁将棋no寄席@大宮ラクーンよしもと劇場 1/20 ヤス主催ライブナイチンゲールダンス単独1月@神保町よしもと漫才劇場 1/21 漫才至上主義@ヨシモト♾️ホール 1/23 ダイヤモンド✖️真空ジェシカの真似させて頂きます@ヨシモト♾️ホール 1/25 ヤレロマ@深川江戸資料館小劇場 1/27 ドンデコルテ第三回単独ライブ「みせつける」@神保町よしもと漫才劇場 1/29 虹の黄昏の2023MAXXX捲りマクリスティ@新

          2023年に行ったお笑いメモ

          半チャーハン文學①

          慎ましげに立ち尽くすあなただけを見つめてた。 きっとあなたの横には誰よりも燦然と輝く主役がいた。いたことを何となく覚えてる。誰もが何となくというわけではなく誰もが煌びやかに覚えている。その煌びやかさに押し負けぬあなただけを確かに僕は見ていた。僕は見ていた。 「半チャーハン」 僕はいてもたってもいられなくなって謙虚さを代弁する為に枕に付けられた『半』を検索した。 僕は大きく頷いた。 でも僕はたまらなくなってスクロールした。 僕はさめざめと泣いた。あなたに付けられた『半』は

          半チャーハン文學①

          半チャーハン持ってこいチャンネル

          こういうこともやっていきたい

          半チャーハン持ってこいチャンネル

          やるっきゃNIGHT

          「やるっきゃNIGHT」という番組を見た。  その番組には今テレビでの痴話トークが柱の軸というトークのトーク番組だ。  そのトークは痴話トーク話という混じりっ気のないエッチスケベなテーマのトークを軸を基本とするダイナミズムとパッショネイトを軸と基本としている。  そのそれはそのトーク話というその気のないそれ故スケベなテーマのそれを軸をそれとするそのいわゆる一つの軸をそれとしている。  それはそれとしてそれ故ににそれがそこにありスケベなそれとしている。  それはそれ故にそこにあ

          やるっきゃNIGHT

          電車

          電車の中の読書は最高だ。 不規則な揺られと虚空な世界に浸っていると知らぬ間に高速移動している、、という感じでなんとも表現しづらい。 自宅や喫茶店でも読書は出来ないことはないのだけれどもそれとは一味も二味も違う。 電車内はガラガラだとそれはそれで寂しいのでとりあえずは座れるくらいに適度なくらいが良いのかもしれない。 読む本は小説かエッセイに限る。ビジネス書や自己啓発本を電車で読むような人間にはなりたくない。かつて自分はそうであったけども。 小説やエッセイの世界観、それが猥雑で

          永遠に

          それは許されない夜だった。それはそれは。 法がないのであれば、モラルがないのであれば、ひいては日本でないのであればきっと許されたのかもしれない。果たして僕はどうすれば許されるのだろうかと自問したが結果六法全書の片隅の一文で僕は贖罪の人生にシフトしなければならなそうだった。諦観しながら知らない天井を見た。実際には自宅だがもう知らない天井のようだった。 あなたは帰り際に石鹸をくれた。 あなたの匂いのする石鹸を。 一日目、僕は嬉々として石鹸を全身に纏った。 二日目、僕はまた嬉々