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『ちびまる子ちゃん』の脚本家 田嶋久子さんにデビューまでの話を聞いてみた

校長先生の子ども時代が、いまいち想像できないように、長年にわたって活躍している人の駆け出しのときのイメージってわかない……

アニメ『ちびまる子ちゃん』や『新・あたしンち』シリーズの脚本家として活躍する出身ライターの田嶋久子さんさんも、ぼくの中ではそういう方のお一人。

でも、違いました。
田嶋さん、めっちゃ苦労してました。
それでも諦めなかったら、いまがある。

それを改めて、知りました。

知ったきっかけは『シナリオなんでも相談室』

シナリオ・センターでは、昨年の4月から毎月オンラインで、『シナリオなんでも相談室』をやっています。Youtubeを使ったライブ配信です。

基本的に、講師を迎えて、ぼくは進行役をやります。チャットに投稿されるシナリオにまつわる質問や受講の相談に、その場で答えていくというのが、『シナリオなんでも相談室』です。

そして、本日のゲストが、田嶋久子さん。
出身ライターをお迎えしての初の相談室!

そこで、いろんなことが聞けました。

アニメシナリオに興味のある方、脚本家が『脚本家』になるまでに興味がある方、アーカイブのリンクを貼っておくので、ぜひ、ご覧ください!
『ちびまる子ちゃん』の創作秘話なども含め、なかなかディーブな話が聞けますよ!

デビューまでの話が、すっごいおもしろかった!

これまた勝手に、出身ライターの方々は、デビューもすんなりと、順風満帆なのかなと思ってしまいます。

でもまぁ、違うわけです。

田嶋さんの場合、『ちびまる子ちゃん』を書いて、17年くらいだそうです。それだけ長く作品に関わるって、すごいことですよね。

そんな田嶋さんでも、デビューまで、大変な道のりだったそうです。

日本テレビ シナリオ登竜門で、コンクール受賞

今はなき、日本テレビさん主催のシナリオ登竜門。29歳を前に、「これからどうしよう……」と思っていた時に通ったのが、このコンクールだったそうです。

でも、それまで、何度もコンクールに落ちていたとか。

そして、このコンクールの賞金100万円を握りしめ、大阪から東京に上京したのだそうです。30歳にして、初めての一人暮らしだったとか。
矢沢永吉さんの『成り上がり』のような話だ!

そこから、うまく脚本家デビューとなったのかな、と思うと、そうじゃない、と。

日本テレビに、脚本を持ち込んだところ、「こういうの書いてたら、プロでは通用しないよ」と言われたとか。

で、いきなり、伝手がなくなります。
日テレのコンクールに通ったのだから、日テレが頼り。でも、その日テレであっけなく、袖にされてしまったわけです。

コンペに参加して、少しずつチャンスを掴む!

背水の陣で臨んだ東京。
でも、順調にはいきません。アルバイトしながら、制作会社さんがシナリオ・センターを通して実施するコンペなどに挑戦。そこでもすんなり行かない中、通ったコンペでチャンスを掴みます。

でも!

いきなりシナリオが書けるわけでもなく……プロットライターをしながら、チャンスを伺っていたそうです。

そして、ある連ドラで、なんとかシナリオを書く機会をもらって……
さらに、プロットライターとした入った連ドラが縁で、アニメの仕事を紹介してもらって……

と、紆余曲折を経ながら、いまの田嶋さんになっていくわけです。
そこらへん、ぜひ、配信動画をご覧ください。のっけから、語ってくれています!

そんな田嶋さんが思う、脚本家に向いている人とは?

脚本は、共同作業です。
脚本家がいて、プロデューサーがいて、ディレクターがいて、みんなでいい作品を作ろうとします。

なので、田嶋さんはおっしゃっていました。

脚本家に向いているのは、共同作業ができる人、自分の作品を直せる人、そういう人が脚本家に向いている」と。
ここらへんは、後半でお話しくださっています。50分過ぎくらいかな。脚本家志望の方、ぜひ、ご覧ください。

いま、活躍中の脚本家の方は、遠い存在のような気がします。
でも、実はみなさん、意外にいまの皆さんと同じような道を歩いているのかもしれません。

そう。そんな簡単になりたいものに、なれるわけじゃない、っていう道です。

でも、田嶋さんは『シナリオなんでも相談室』の冒頭で、「続けることが大切ですよ」とおっしゃっていました。田嶋さんのデビューまでの話を聞くと、「あぁそうだな」と思えます。

今回の『シナリオなんでも相談室』は、いつもとはちょっと違った角度からの配信ができて、参加いただいた方の満足度も高かったのではないかな、と思います。
そういう場を、いろんな形で提供できるように、と思うシナリオ・センターのあらいでした。

シナリオ・センターは、1970年に優秀なシナリオライター・脚本家、プロデューサー、ディレクターの養成を目的に、新井一が設立。
ジェームス三木さん、内館牧子さん、岡田惠和さんなど700名以上の脚本家、小説家を輩出する学校です。「日本中の人にシナリオを書いてもらいたい」と思って51年目。

シナリオ・センターは『日本中の人にシナリオをかいてもらいたい』と1970年にシナリオ講座を開始。子ども向けキッズシナリオも展開中。アシスト、お願いします!! https://www.scenario.co.jp/project/kids_assist/index.html