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文章が苦手なぼくの、編集の方に原稿を渡すまでの6つの手順

シナリオ・センターのあらいです。
7月28日に『プロ作家・脚本家たちが使っている シナリオ・センター式 物語のつくり方』(日本実業出版社)が発売になりました。

「『シナリオ・センター式 物語のつくり方』が1冊の書籍になるまでレポート」をしています。

今回は、『シナリオ・センター式 物語のつくり方』の各章の原稿の進め方について。文章を書くことに苦手意識のあるぼくでも、1冊書けた方法の紹介です。

“2022年11月18日、日本実業出版社にて出版企画が採用され、2023年7月5日に脱稿するまで、そして、脱稿後の表紙のデザイン、帯のお名前掲載依頼、さらには販促マーケティングまで、1冊の書籍ができるまでを連載にてレポート。
出版に興味のある方、これから書籍の原稿を書くという方、それから本書『プロ作家・脚本家たちが使っている シナリオ・センター式 物語のつくり方』(日本実業出版社)に興味のある方の参考になれば、と思います。

ブログの趣旨

1章ごとに、編集者に原稿を渡す

本書は全部で6章あります。編集の方と話して、1章できるごとに原稿をお送りすることにしました。お互いに進捗の管理ができて、安心です。
(6章分をどうスケジューリングしたからは、また別の回で書きたいと思います)

ぼくの中で、編集の方に送る前の進め方を決めました。
手順1:章のテーマを整理する
手順2:章の構成を整理する
手順3:構成に沿って原稿を書く
手順4:原稿が書けたら、各項目の内容を箇条書きにする
手順5:手順1で考えた構成とズレがないか、俯瞰してみる
手順6:ズレがある箇所の原稿内容を見直す
手順7:原稿を再度書き直す
手順8:「えいや!」と編集の方に送る

なぜ、この手順にしたのか

・理由その1 シンプルに、文章力に自信がないから

ぼくのnoteを見てください。「いいね」ほとんどありません。まぁ気ままに書いているし、特にSNSに連携させていないし、と、遠い目をしたところで、本当の問題は、文章力だと思うのです。
それに、ぼくは自分の文章に全く自信がありません。小学校の頃から、文章を書くのも読むのも苦手でした。

・理由その2 他の方法を知らない

文章を書くことを生業としてきたわけでも、文章修行のようなことをしてきたわけでもありません。なので、書籍1冊分の文章をどう書けばいいのか、途方もない問題です。
頼れるのは、拙著でも紹介している構成方法です。物語で使える構成の考え方を、全面的に応用しました。『シナリオの基礎技術』さま様です!

手順1:章のテーマを整理する

まず各章のテーマは、本書全体のテーマに紐づけます。
本書のテーマは、「『創作の地図』を手にすることで、誰でもエンドマークまで物語が描けるようになる」です。
これに紐づけて、各章のテーマを考えました。

手順2:章の構成を整理する

これから書く章のテーマが決まったら、構成を考えます。
例えば、序章であれば、「あなたの悩みを解決する本」がテーマで、この章を読んだ方が、「これは自分(読者)の悩みを解決してくれる本だ!」と思ってもらるように構成を作ります。

なんか、色々書いています

手順3:構成に沿って原稿を書く

構成を考えるときには、拙著の中でも紹介しているストーリーの構造を意識します。
各章のテーマをもとに、そのテーマを満たす話のまとまり(シークエンス)を考えます。目次でいうと、○章の2とか3とかに当たる部分です。
シークエンスでどんなことを書くのかを決めたら、シークエンスの中身となるエピソードを箇条書きにします。
箇条書きが揃ったら、その内容をそれぞれ文章化していきます。
図にすると、こんな感じ。

上の写真みたいな形で、ノートに整理していきます

手順4:原稿が書けたら、各項目の内容を箇条書きにする

手順3までで、一旦その章の原稿ができあがります。いわゆる1稿目です。一稿目が早くできる章もあれば、なかなか進まない章もあります。一番進まなかったのは、5章「シーンの描き方」です。

1稿目ができたら、原稿を読み直して、原稿の内容を箇条書きにしていきます。手順3の逆パターンです。創作では、逆箱といったりします。

文章の内容をもとに、箇条書きに戻していく

手順5:手順1で考えた構成とズレがないか、俯瞰してみる

文章から箇条書きにすることで、当初のねらいと原稿がズレていないかを、まずチェックします。
その上で、当初のねらいよりもいい場合があれば、その原稿が違和感なくはまるかどうかを確認します。

手順6:ズレがある箇所の原稿内容を見直す

章のテーマに対して、ズレている原稿があれば、その内容を見直します。ここをきちんと発見できないと、読み手の腹落ち感が損なわれます。なぜなら、論理的に破綻をしている箇所だからです。

手順7:原稿を再度書き直す

原稿のズレを見つけたら、文章の内容を修正していきます。
素敵ないい回しにしようとか、そういうことは一切考えません、ぼくの場合。そんな余裕はないからです。

とにかく、頭の中にスッと入ってくることだけを目標に、原稿を書き直します。

手順8:「えいや!」と編集の方に送る

ここまできたら、「えいや!」と編集の方に原稿を送ります。ぼくの中では、2校していますが、編集の方には1校目が届くという塩梅です。

実際には、全部の章の原稿が揃った段階で、2校、3校とよりよくするために、推敲をしています。これはまた別のタイミングで書きたいと思います。
校正についても、ぼくは「物語のつくり方」でも紹介している構成の考え方を応用しています。
文章そのものは、特別な素質はありませんが、構成の考え方を使ってロジックをずらさないようにだけ、気をつけました。とにかく、わかりやすさを担保したつもりです。
「シナリオ・センター式 物語のつくり方」が多くの方の手に届いてくれたらと思います。
シナリオ・センターのあらいでした。

おかげさまで、いい調子のようです!

ランキング1位に、何の意味があるかよくわかりませんが、1位は嬉しいので、記念に載せてさせてください。

Amazonの「文学理論」でベストセラーになっている、とか

どんな本なのか?甚だ簡単ですが、まとめています。

・レポート記事の目次ページ

・マガジンにまとめています


『プロ作家・脚本家たちが使っている シナリオ・センター式 物語のつくり方』(日本実業出版社)7月28日発売。予約販売中です。


シナリオ・センターは『日本中の人にシナリオをかいてもらいたい』と1970年にシナリオ講座を開始。子ども向けキッズシナリオも展開中。アシスト、お願いします!! https://www.scenario.co.jp/project/kids_assist/index.html