St. Moritz (Segantini Museum)ジョバンニ・セガンティーニはイタリア人(厳密に言えば彼はイタリア北部の生まれですが無国籍でした)でスイス山岳地帯の風景を数多く描いた画家です。絵画というと、私はブリューゲルやヒエロニムス・ボスなど北方ルネサンス期の画家を偏愛しているのですが、19世紀を生きたセガンティーニはその唯一の例外です。私は20代の頃からこの画家の絵が好きで、20年前にスイス東南端のエンガディン地方まで遥々旅した理由の一つは、サン・モリッツにある
St. Moritz (Museum Engiadinais)エンガディン滞在最終日は一日中雨でした。翌朝にはこの場所を去らなければなりません。天気が良い日なら迷わず山を歩くのですが、この雨という機会を利用してサン・モリッツにあるエンガディン博物館(郷土博物館)を訪れることにしました。この博物館の創設は20世紀初頭ですが、2015年から2016年にかけて大規模改修が施された、まだ真新しい雰囲気が漂う博物館です。建物はこの地方の伝統的様式で建てられた100年前のものですが、内部