見出し画像

人に勧めるということについて

趣味でホルンという楽器を吹いている。

高校から20年近く吹いてきて、もうこれ以上伸びしろはないだろうなと思っていた。とあるつてでプロの方にレッスンを受けるようになり、私にはまだまだ伸びしろがあることを教えてもらった。楽器を吹くために必要な体の使い方と、奏法に関することを別々の先生に習っていて、現在の私は若い頃よりも何倍も伸びている自覚がある。歳をとったらできなくなることも確かにあるが、思った以上にできることのほうが多いことを経験で知った。

私が20代の頃、まだレッスンなんて音大を志す人しか行ってはいけないところだと思っていたし、レッスンとは怒られるものだと思っていた。怒られるためにお金出して教えてもらいに行くだなんて馬鹿げている。
でも、これ以上上達しない中で演奏するのにモヤモヤしていた。私よりも上手いプロじゃない人はたくさんいる。なぜ私はそうなれないのだろう?上手い人だって人間なのに、なぜ同じ人間でこうも違いがあるのだろう?
そんな気持ちの中レッスンに通い始めた。最初はよくわからなかった。でも、続けて通ううちにちょっとずつ変化が出てきた。うまく表現できないが、練習曲も演奏する曲も曲は曲だということを理解したことは私にとって偉大な発見だった。

私にとっての大発見を、今楽器で悩んでいる全ての人にも知ってもらいたい。薬みたいな即効性はないが、繰り返しているとジワジワ効いてくる漢方薬のよう。ただ、これも私がいい師匠達に当たって効果が出たから言えることで、同じ漢方薬でも私と同じように効くとは限らない。レッスンが合わなかったという人も知っている。だけど、先生は一人じゃないので合う先生を探して欲しいなとも思う。

自分が良かったことを人に勧めたいと思う。だけど、「どう思うか」は人それぞれ。最終判断を自分任せにすればばきっといい方向に導いてくれると思う。でも、人に勧めると結果まで責任を持たされるような気がして勧めにくい。上手くなりたいのなら、何処かで誰かが言ってた話を聞くだけでなく、自分だけの知識を得たほうが近道なのになって思う。自分が考える秘策なんて一方向に過ぎないのだから。

#コラム #エッセイ #楽器 #ホルン #レッスン


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?