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「一人ひとりに合わせた人材育成・開発を考えよう」人事学びゼミレポートvol.5!

VUCA時代おいて、キャリア思考が多様化していく中、通り一辺倒な研修・育成では限界がある...ということは、皆さん課題として感じているところではないでしょうか。
そこで今回のテーマである「一人ひとりに合わせた人材育成・開発」に沿って、下記の視点で話し合ってみました!
・会社側が各社員に合わせた育成を提供するのか
・各社員が各自に合わせたスキルアップしていくのか

1. 各社の人材育成に対する課題感

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入社時からリモートワーク環境に放り込まれた新卒や入社後のサポートが手薄になりがちな中途社員など、対象別の人材育成・開発に関する意見が多く出てきました。

①新卒が感じるリモートの壁
昨年の新卒からは、同期間でのコミュニケーションに関する悩みの声が多く人事に寄せられたようです。

・同期との関係・絆が生まれにくかった
・同期同士のコミュニケーションが減っている

入社当初は、積極的にオンラインランチ会や飲み会など設定していましたが、業務が忙しくなるにつれて優先度が下がってしまう...ということもしばしば。

偶然の出会いや雑談から生まれるアイディアなど、リアルで起きていることがオンラインだと難しく、必然的に社員間の心の距離も空きやすくなっているのではないでしょうか。

②中途入社時のオンボーディング課題
現場主義の企業では、中途社員の受け入れサポートに関する課題感が強いという声もありました。
中途社員育成に工数がかけられない企業では、「入社説明後、すぐ現場配属」という流れは珍しくなく、入社した社員が実際に現場配属後に活躍できるかを懸念する声もありました。

そのため、参加者の企業では、一定のオンボーディング期間を設定することに加え、下記のような具体的施策を実施しているそうです。

2. 具体的に実施していること

①社内コミュニケーションの活性化最近では、新卒や中途入社の新入社員向けのオンラインランチ会を積極的に実施している企業が非常に多いようです。
例えば、部署横断のシャッフルランチや「〇〇さんの話を聞きたい!」などの社内マッチングランチなど。
社内での偶発的な出会いがないからこそ、人事側から意図的にコミュニケーションの場を仕掛けていく必要があるとの意見が多いのが印象的でした。

②スキルマップを活用した中途社員へのフォローアップ
人材育成・開発の手法として「スキルマップ」というキーワードも出てきました。
実際にスキルマップを活用している参加者の方からは、「各社員のスキルを把握し、一人ひとりに合わせた教育を提供できると考えて導入に至った」という声も。
例えば、全職種共通スキルと職種・階層別スキルでまとめ、5~10段階評価で設定。スキルを取得するごとに、1つずつ上がるため、社員の成長が可視化できる仕組みだそうです。

③社員が学び合う仕組みづくり
社員同士が教え学び合う仕組みを構築した人事の方もいました。
きっかけは、採用が上手くいかなかった際に、「外から内の強化へシフト」の方針のもと社員教育への注力したこと。
具体的には、育成カリキュラムの一環として「社員が社内講師となり若手の教育すること」をスキルマップの項目に入れたそうです。
人事が事務局側に回って現場のサポートに徹したため、社員同士が自然に学び合う文化が構築できた、とのことでした。

<人事側が注力したこと>
・教える人をどれだけ泥臭く集められるか
・参加者のモチベーションをどれだけあげられるか
・運用をより効率化・改善

<結果>
「相手に教えることで自分も学ぶ」という仕組みを構築
→人事の工数をかけずに、社員同士が学び合う文化が作れた!

3. 自社で始めるためにどうすれば良いか(コーチングは本当に効果があるのか?)

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事前のアンケート調査では、参加者から「コーチング」に関する多くの回答が寄せられました。
実際にマネジメント層を中心に、部下への行動変容や業務への動機付けなど「引き出す側の力が必要」という風潮(気運)が高まっているようです。
ただ、一朝一夕では習得できないスキルでもあり、各社様々な課題感の中で実施していました。

①実践のハードルが高い
役職者向けコーチング研修の目的は、「目標達成に向け、部下の能力や可能性を最大限に引き出すこと」
実際は、コーチングの知識や手法のインプットはできた一方、実践や習慣化が難しいとの意見がありました。

階層の違う役職者を混同して一緒にコーチング研修を行う際は注意が必要です。部長は課長を対象に、課長は新卒〜ベテラン社員を対象にコーチングするなど、階層によってコーチング対象が異なり、学ぶべきコーチングの手法も変わる場合があるためです。

②コーチング研修受講者からの反応
実践へのハードルの高さがある一方、
コーチング研修を受講した社員からは非常に良い反応だったそうです。

また、ティーチング中心のマネジメントが主流だったマネージャー層にとって、新しい発見や気づきが多かったようです。

<受講者からの声>
・更にフィードバックの方法を学びたい
・ 自分が教えるのではなく相手に気づきを与える方法が効果的と学んだ
・会社の目標を自分のキャリアビジョンと結び付たモチベーションを上げる方法が勉強になった

また、既にスキルマップを導入している参加者の企業では、「コーチングスキル」も項目に追加し、初級〜上級編と幅広いレベルに対応できるように計画しているそうです。

④まずは、コーチングを受けてみることが効果的?
コーチング研修を受講するよりも「コーチングを受けること」を推奨するという意見も出ました。

「引き出す力」に対して課題感を持っている/持っていない人では、研修後のアウトプットも大きく異なるかと思います。
実際に社員がコーチングを受け、新たな気づきを得た時に「コーチングってすごいな」「必要なんだな」と理解してもらうこと機会が必要です。
そして、そのきっかけから行動変容に繋がり、コーチングの価値が最大化されるのではないかと考えます。

コーチング研修を検討している企業は、
まずは、社員にコーチングを受けもらい、強い課題感を持った方を優先的にコーチング研修に案内するのはいかがしょうか。

4. 終わりに

今回は、日系〜外資系など幅広い業界の人事の方々に参加していただき、各社の事例や知見を共有していただいた学びの深い時間となりました!

新たな研修を導入すればするほど、社員としては「会社が与えてくれるという安心感」がある一方で、「健全な危機感を持たせられていない」という危機感を持つ人事も多いという意見がありました。

社員は、環境の変化が早い時代に対応するため、個人のスキル・キャリアアップするために必要な学びは何か?を考える必要があります。
一方、企業は「研修はあくまで、業務に必要なスキルや能力を伸ばすための機会にすぎない」というメッセージを社員へ発信することが大事になるのではないでしょうか。

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今回も多くのゼミ生にご参加いただきありがとうございました!

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