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チャンポンタウン/ごきげんよう

最近、素敵な音楽に出会った。チャンポンタウンという大阪出身のバンド。

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わたしのような音楽素人が言うのも大変恐縮なんですが、「こういうバンドです」という形容が少し難しい。少なくとも聴き込めば聴き込むほど良さを発見できるすごいバンドだと思う。たぶんめちゃくちゃいろんな音楽を吸収して自分の音楽として消化させた上でオリジナルな音楽を作る、たとえば桑田佳祐や細野晴臣、Van Dyke Parksみたいな人たちを思い起こさせる。そう言った意味で極めて「チャンポン」的だと思う。

オリエンタルなイントロが印象的な「チャンポンタウンのテーマ」はまさにこのバンドのテーマのような気がする。つまり、いろいろなジャンルの音楽が一つにまとまって楽しく聴ける。たとえば、この曲のサビまでのビートが極めてヒップホップっぽいところ。とくにチョップしたような間合いが特徴的なパターン、そしてバスドラと左チャンネルのフロアタムの鳴り方が気持ちいい。サビになったらロックっぽい8ビートになるのでサビに疾走感が出る。サビへの疾走感は歌詞にも依っているところもあると思う。「サニー」と「光」が上手に韻を踏んでいるところが気持ちいい。それと空間処理の仕方が全体的にかっこよくて、1回目のサビ終わりに左チャンネルで「サーーー」っていうホワイトノイズと「はしゃぐ」ようなシェイカーが面白く、そのあとのシンセサイザーの音も気持ちいい。

空間的なかっこよさはつぎの「パラレル」にも効果的にあらわれているように思う。シンセがとにかくかっこいい。ちょっとシティポップっぽいんだけど、サビ後のブリッジが王道ロックっぽい感じがする。だけど、サビの拍の取り方がおもしろく、ただのポップじゃない。ギターのフレージングも面白く、ベースとドラムの絡みなんてすごくダイナミックで気持ちいい。

ベースがめちゃくちゃかっこいい3曲目の「悪い夢」も好き。ビートルズ的なダブルトラックのボーカルの処理も面白いし、50年代のR&Bっぽいイントロからオルタナのようになる。チャンポン的というのは、一曲の中にさまざまな音楽を融合させるだけではなくて、一曲の展開をさまざまな音楽に変形させる、そう言った側面もあるのかもしれない。「悪い夢」はその両方を明確に示していると思う。また最後の「ごきげんよう」にビートルズを感じる。イントロからサビまでのメロトロンとバシンっていう音のドラムがStrawberry Fields Forever。メロディーもとても美しくCDが届いてから何度も聴いてる。

最近はSpotifyでしか音楽を聴かないし、レコード屋にもCD屋にも行くことがめっきり減った。ライブなんてコロナ禍以降は一回も行ってない。そんな中で出会ったチャンポンタウンっていうバンド。これから大切に聴きたいなあ、と思う。​

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トップ画と挿入画像にあるようにジャケットのデザインも素敵なので気になった方はぜひ手元にとって聴いてほしい。


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