しゅみお

30代も半ばを過ぎました。しゅみおです。音楽を歴史的に聴くことが趣味で、ジャズ、ソウル…

しゅみお

30代も半ばを過ぎました。しゅみおです。音楽を歴史的に聴くことが趣味で、ジャズ、ソウル、ファンク、ヒップホップ、ブルースが好きです。テクノやエレクトロニカも好きです。最近はブルーグラスに凝っています。ジャズは新譜旧譜を含めトラッドジャズやマヌーシュ・ジャズをよく聴きます。

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トラッドジャズ・スタンダード目次

いろいろジャズを聴いていると探究心が芽生えてくる。ジャズは黎明期からどこでだれが録音に参加したのかが明確なものが多いのでとても探しやすく、また曲は時代をあらわしていて、そういったものを調べるのも面白い。とくに日本では『ジャズ詩大全』などすばらしいシリーズも多い。また英語でも日本語でもさまざまな分野からジャズは学術的に研究されている。それに日本語でも英語でもジャズにかんするサイトやブログが本当に豊富だ。コツコツと調べたものが溜まってきたので、noteに残したいなあと思ってはじめ

    • Somebody Stole My Gal

      「サムバディ・ストール・マイ・ギャル Somebody Stole My Gal」は1918年にレオ・ウッド Leo Woodが作詞作曲したポピュラーソング。日本ではピー・ウィー・ハントの録音がとても有名であるが、それを抜きにしてもトラッド・ジャズのスタンダードとして数多く録音されている。また日本語のタイトルに「恋人を取られて」というものがあるが、最近はカタカナ表記が多い。 この曲は最初メイヤー・コーエン音楽出版社Meyer Cohen Music Companyから販売さ

      • Humoresques

        「ユーモレスク Humoresques」はチェコの作曲家アントニン・ドヴォルザークが1894年に作曲した曲集。もちろんクラシックの曲ではあるが、ことジャズでは中でも変ト長調の第7番(Op. 101-7)がしばしば演奏/録音される。そんなわけでジャズのなかで「ユーモレスク」と言った場合は、ほとんどこの第7番を指す。2/4拍子で8小節で一区切りすることからスウィングしやすくジャズでも扱いやすいのかもしれない。 この曲は、ドヴォルザークがアメリカに休暇に来ていた時に書かれた。当時

        • By the Light of the Silvery Moon

          「バイ・ザ・ライト・オブ・ザ・シルヴァリー・ムーン/銀色の月明かりの下で By the Light of the Silvery Moon」は1909年にガス・エドワーズ Gus Edwardsが作曲し、エドワード・マッデン Edward Madden が作詞したポピュラーソング。日本語のウィキペディアにあるくらいには有名な曲だけど、最近はそこまで頻繁に録音されているわけではない。 もともとミュージカル『ジーグフェルド・フォリーズ Ziegfeld Follies』で使用さ

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        マガジン

        • トラッド・ジャズ&スイング・スタンダード
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        • 音楽について:ジャンル、ムーブメント、プレイリスト
          7本

        記事

          Carolina Shout

          「カロライナ・シャウト Carolina Shout」は1921年にジェイムズ・P・ジョンソンが作曲したジャズ・ナンバー。ジャズ史としても重要な曲の一つで、最初のソロ・ピアノのジャズの録音の一つ。とくにラグタイムから強く影響を受けた曲で、そうした意味でラグタイムからジャズへの移り変わりを楽しむことができる。日本語ではキャロライナ・シャウトとも表記される。 ハーレムの発展とともに、第一次世界大戦前の音楽家たちは徐々にニューヨークに移住するようになった。彼らが演奏したのはスコッ

          Carolina Shout

          Cheek to Cheek

          「チーク・トゥ・チーク Cheek to Cheek」は、1935年にアーヴィング・バーリン Irving Berlinによって書かれたポピュラーソング。トラッド・ジャズのみならずジャズのスタンダード。ミュージカル映画『トップ・ハット Top Hat』のために書き下ろされた曲でフレッド・アステアの代表曲の一つ。 アーヴィング・バーリンの傑作の一つ。スウィングでもシカゴ・スタイルでもマヌーシュ・ジャズでもどんなスタイルでもかっこいい。美しいメロディが特徴なのだが長い。とても長

          Cheek to Cheek

          Clementine (From New Orleans)

          「クレメンティーン Clementine (From New Orleans)」は1927年にハリー・ウォーレン Harry Warrenが作曲し、ヘンリー・クリーマーHenry Creamerが作詞したポピュラーソング。可愛らしいメロディの素敵なトラッド・ジャズのスタンダード。 作曲家のハリー・ウォーレンはブルックリン出身のティンパンアレーの作曲家で、両親はイタリア移民。幼少期から教会で歌ったり、アコーディオンなどを演奏していた。ほかに作曲した曲といえばRose of t

          Clementine (From New Orleans)

          Bugle Call Rag

          「バグル・コール・ラグ Bugle Call Rag」は、1922年に初録音されたラグ・ナンバー。ジャック・ペティス Jack Pettis、ビリー・メイヤーズ Billy Meyersとエルマー・ショーベル Elmer Schoebelによって書かれた。ニューオーリンズだけではなくシカゴでも重要なジャズ・スタンダードとなっている (Kenny, 1993)。「バグル・コール」とはイントロで聴かれるようなトランペットなどで演奏される短いフレーズのこと。 ちなみに1916年に

          Bugle Call Rag

          Cherokee

          「チェロキー Cherokee」は1938年にレイ・ノブル Ray Nobleによって書かれたジャズ・ナンバー。ジャズの中では圧倒的少数派のイングランド出身のバンドリーダー。 いわゆるキャラバン Caravanやインディアン・ラブ・カール Indian Love Callとおなじような「インチキ・ワールド・ミュージックbogus world music」。そんなわけでチェロキー民族とはほとんど関係がない。あくまで歌詞のモチーフとしてネイティブアメリカンが利用されている。この

          Careless Love/Loveless Love

          「ケアレス・ラブ Careless Love」あるいは「ラブレス・ラブ Loveless Love」はトラディショナル・ソングで、1921年にWC ハンディ WC HandyがLoveless Loveとして版権を取得した。ブルース、ジャズ、ブルーグラス/ヒルビリーにおいてもっとも重要な楽曲の一つ。そのため本当に多くの録音がある。 いつ頃からこの曲が歌われ/演奏されるようになったかはわかっていないが、一般的には「19世紀後半のある時期に英米南部の山のメロディから発展したと考

          Careless Love/Loveless Love

          Bye Bye Blackbird

          「バイ・バイ・ブラックバード Bye Bye Blackbird」は、1926年にモート・ディクソンMort Dixonが作詞し、レイ・ヘンダーソンRay Hendersonが作曲したポピュラー・ソング。トラッド・ジャズの大スタンダード。 歌詞のなかでは「誰かが自分を待っている場所に戻りたい」という気持ちが歌われている。こうした「黒い鳥」は不吉の象徴ととらえられることもあるし、時代によっては黒人の比喩として使用される。が、この曲が故郷に帰ることを歌っているのであれば、ここで

          Bye Bye Blackbird

          Bye Bye Baby

          「バイ・バイ・ベイビー Bye Bye Baby」は1936年にルー・ハンドマン Lou Handman作曲、ウォルター・ハーシュ Walter Hirsch作詞のポピュラー・ナンバー。いくつか同名の曲があるが、こちらは戦前の曲。そこまで有名な曲ではないが、素敵な曲。 歌詞では、恋人の元を長い間離れてしまうことが描写的に描かれている。離れてしまう理由は明言されていないので仕事やあるいは戦争などその時の録音や聴いている本人の状況を当てはめるとおもしろい。 録音Fats Wa

          Bye Bye Blues

          「バイ・バイ・ブルース Bye Bye Blues」は1930年にバート・ロウンBert Lown、チャウンシー・グレイ Chauncey Gray、ディヴィッド・ベネット David Bennett、フレッド・ハムFred Hammによって書かれたポピュラー・ソング。トラッドジャズ・スタンダード。 「もう行かなくちゃ!鐘も鳴って、鳥もさえずっている。太陽は輝いているからさびしくないよ。美しいメロディが微笑みかけている。ため息をつかないで、泣かないでバイバイ・ブルース」とい

          Bugle Boy March

          「バグル・ボーイ・マーチ Bugle Boy March」は1907年にフランシス・メイヤーFrancis A. Myersによって書かれたジャズマーチ・ナンバー。元々は「アメリカン・ソルジャー American Soldier」という名前で書かれ、あとになって「バグル・ボーイ・マーチ」と呼ばれるようになった。ニューオーリンズのジャズはもちろんのこと、ディキシー・リヴァイヴァルでも多数録音された。 録音Paul Barbarin and his New Orleans Ja

          Bugle Boy March

          Blue Room

          「ブルー・ルーム Blue Room」は1926年のロレンツ・ハートLorentz Hartとリチャード・ロジャース Richard Rodgersのハート=ロジャースのコンビによって書かれたポピュラーソング。ブロードウェイ『ガール・フレンド The Girl Friend』のために書かれた。歌ものよりもインストの方が多い印象にある。またヴァースがかっこいいんだけどよく省かれる。そんなわけでわたしとしてはヴァースありの演奏や歌が好きである。 ハートの歌詞最近読み始めた『ティ

          But Not For Me

          「バット・ノット・フォー・ミー But Not For Me」は1930年にジョージ・ガーシュイン George Gershwiが作曲し、アイラ・ガーシュイン Ira Gershwinが作詞したポピュラー・ソング。ジャズにおいてはトラッド・ジャズ/スウィングだけではなくモダン・ジャズでも人気の曲。 ブロードウェイ・ミュージカル『ガール・クレイジー Girl Crazy』で使用された曲のひとつで、「ジョージ・ガーシュインが最も愛したスタンダード曲のひとつ」。もともと1929年

          But Not For Me