幸福になるために「成功する」のウソ

コーチングしていて、「成功したいです。」という人にその目的を聞いてみると、「幸福になりたいから」と答えられます。それって正しいのかな?って考えていました。脳科学的に、成功すると達成感で幸福感は一瞬満たされます。これはドーパミンによるもので、その幸福感は長続きはしません。ドーパミンはそういう特徴です。するとすぐに次の達成感、成功を得なければなりません。

最近ウェルビーイングの研究をしていると、実は、逆なのだということがわかりました。幸福だから成功しやすくなるということです。
この幸福というのは、英語では、ハッピネスともありますが、ここではウェルビーイングとします。
ハッピネスというのは喜びです。お酒を飲んでも、ハッピネスになります。ここではそういう喜びではなく、文字通り、よい状態としてのウェルビーイングを意味しています。
ウェルビーイングであると成功を引き寄せるというのです。
ウェルビーイングな状態というのは、よい状態と前に書きましたが、定義としては、健康、精神、社会の3つがよい状態でウェルビーイングといいます。
健康であることはウェルビーイングの最低条件ですね。
社会というのは、社会インフラなどです。安全なのか、安心な場があるのか、など社会的なウェルビーイングです。戦争や紛争があると社会的にウェルビーイングとは言えません。
ここでは、精神的にウェルビーイングなので、これを幸福ということで、最近は、幸福学として精神のウェルビーイングは研究されてきました。

脳科学的には、セロトニン、オキシトシン、ドーパミンという順に土台となっています。
セロトニンは、安心、安全で安定した精神状態でいると分泌される脳内ホルモンです。また、太鼓などのリズム運動、日光を浴びる、ということでセロトニンは分泌されます。
次に、オキシトシンですが、これは、人とのつながりにより分泌されます。スキンシップが一番効果的です。オキシトシンはストレスに強く、ストレスに弱いセロトニンを助ける働きがあります。
こうして、セロトニンとオキシトシンは、ドーパミンと違って、持続的なよい状態を維持します。その状態でいるとより、成功するということなのです。

でも、考えてみると、世の中、よいこと、悪いことは平均すると半分半分です。
よいことが起こったときは素直に喜び、
悪いことが起こったら、よくなる前兆だ、くらいに受け止める心得が大事となってきます。
実際、悪いことが起きたときにへこたれず、立ち上がるレジリエンスを持っている人は、最終的に幸福な成功者になっている人が多いように感じます。
しかも、そのような成功者は、悪いことが起きたことをきっかけとして成功するようなので、悪いことが起きていなかったら、成功していなかったかもしれません。
易経では悪いことが続くと、一陽来復などといい、悪いことが続くと、よいことが起こる。と占ったりします。
かわいい子には旅をさせろ、というのは、苦労する事で、幸福になる糧を手に入れるような考えです。
水戸黄門の歌にも「人生落ありゃ苦もあるさ」とあります。

つまり、実は、半分半分なのです。これを振り子の法則と呼びます。
悪いことが起きたときの対処により、人生をよりよくすることができます。
悪いことが起きたときは、何かを学ぶ機会、精神を鍛える機会、などと受け止めるとレジリエンスは強く発揮されます。このとき、幸運体質になるんだと思います。
難が有ると書いて、有難うと読みます。
難がないのは無難です。感動も悲しみもありません。
そんな薄っぺらい人生はもったいない。
人生二度なし、一度きりの人生、精一杯生きたいものです。

幸運は不幸な姿をしてやってくる
と思っていると、よいかもしれません。

最後に大事なのでもう一度書きます。

幸福だから成功するのです。

実は、皆さんこのこと知っています。
「笑う門に福来る」
これって、幸福だからよいことが起こるということですね。
幸福だから、よいことに気づきやすいのかもしれません。

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