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ヨーロッパ文化教養講座(日本映画 2015年公開「杉原千畝 スギハラチウネ」鑑賞記)

2024/01/05
日本のシンドラーこと、杉原千畝氏の物語。感動した。
映画では描かれなかったが、小生は、杉原千畝氏がキリスト教(東方教会系)の信者であったことが、日本政府の許可なく「命のビザ」を発行し続けた原動力の一つであったことは、間違いないと信じたい。

第2次世界大戦時、ナチスに迫害されたユダヤ難民にビザを発給して救いの手を差し伸べ、「日本のシンドラー」とも呼ばれた外交官・杉原千畝の半生を、唐沢寿明主演で描いたドラマ。

堪能な語学と豊富な知識を駆使し、インテリジェンス・オフィサー(諜報外交官)として世界各国で諜報活動に携わった杉原千畝は、1939年、リトアニアの日本領事館に赴任。

自ら構築した一大諜報網をもって混乱する世界情勢を分析し、日本に情報を送り続けていた。その一方で、日本政府の命令に背いてナチスに迫害されたユダヤ難民に日本通過のビザを発給し、6000人の命を救った杉原の、知られざる信念や信条を描き出す。

監督はハリウッドと日本の双方で数々の大作に携わってきたチェリン・グラッグが担当。

2015年製作/139分/G/日本
配給:東宝
劇場公開日:2015年12月5日

映画.com

コメントと感想:

1.「日本のシンドラー」と呼ばれた外交官がいたことは知っていたが、杉原千畝氏(演 唐沢寿明)本人のことは、この映画で初めて知った。

2.視聴後、WIKI等で調べると、杉原千畝氏は、ハルピン滞在中に、ロシア人と結婚していて離婚後、小雪が演じる、友人の妹と結婚したそうだ。
この前妻をロシア人の諜報員兼杉原氏の恋人であった、イリーナとして登場させているのだろう。
ポーランド人の諜報員兼運転手のペシュも運転手ではなかったとは思うが、実在の人物のようだ。
このように、実在の人物をうまく脇役として配置して映画として成り立たしているのは、さすがだと思った。

3.杉原氏が、いわゆるキャリア官僚でなかったことも、自分の良心に従って、ユダヤ人に無許可のビザを発行できたことの要因の一つではないかと思った。
つまり、失うものが少ないほど、人は自由になれ、その人の本質が出ると思う。
これは、映画に登場し、同じようにユダヤ人にビザを発行する、オランダ領事ヤン・ズヴァルテンディク氏も、本来は私企業のフィリップ社のリストニア支店長だということを考慮すると、当てはまると思った。

4.小生が尊敬する、「東洋のラスプーチン」こと、佐藤優氏も、ロシア正教の研究を金をかけずにしたいがために、外務省へ入ったと言っていた。

国策捜査で外務省を追われた佐藤優氏と勝手にビザを発行したことで外務省を追われた、杉原千畝氏と共通するアウトロー的な魅力はどこから来るのだろうと思う。

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