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音楽が語る、“幸せ”とは

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こんにちは。S.C.P.JapanでインターンをしているSaraです。
初めてコラムを書くので、何を書けばいいのか、読み応えのある文章を書けるかどうか不安ですが、今回は私の大好きなアーティストとその人が創り上げたひとつの曲についてお話させてください。

曲の紹介に入る前にひとつ、皆さんにお聞きしたいことがあります。
皆さんにとって、“幸せ”とは何だと思いますか?ありきたりな質問ですね笑
お金を稼ぐこと、健康に長生きすること、結婚して家庭を築くこと、生きていくうえで大切にしていることは人それぞれだと思います。しかし、億万長者が必ずしも幸せなわけではないし、長生きしているから幸せなわけではありません。そして、結婚して家庭を築けば必ず幸せになれる、ということもないのです。多くの人が望んでいるものを手にしているからといって、それが幸せかと言われたらそうではないと私は思っています。

では、“幸せ“とは何なのでしょうか。
私にとっての“幸せ“とは何か、それをお話するのにぴったりな曲があるので、少し長くなりますが最後までお付き合いください。

上原ひろみさん(写真上)。ボストンの名門バークリー音楽大学を首席で卒業し、その後第53回グラミー賞でバンドメンバーとして参加したアルバムが「Best Contemporary Jazz Album」を受賞するなど、日本を代表するジャズピアニストです。
彼女は、私が初めてコンサートに参加したアーティストであり、私が音楽を始めるきっかけになったとても大切な存在です。

8歳のときに母に連れられて行った彼女のコンサートは、40〜50代のお金持ちそうな大人ばかりで、
居心地があまり良くなかったのを覚えています。笑
しかし、ステージにライトが点けば、私を不思議そうに見ていた大人たちの視線は一瞬で、ピアノの前に立つ1人の女性に吸い寄せられました。目を瞑り、静かに鍵盤に指を乗せたとき、私は無意識のうちに息を止めていました。曲が始まる直前のあの緊張感と高揚感は今でも忘れられません。

そこから7年経った2019年12月、私は再び彼女のコンサートに行くことになりました。
下の写真は実際にコンサートに行った時に購入した楽譜とグッズ、チケットです。

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前作から10年ぶり、2回目となる上原さんのソロ・ピアノ・アルバム「Spectrum 」の発売を記念したコンサートツアーです。そこで彼女が演奏した曲こそ、私にとっての“幸せ“が何かを説明してくれる特別な曲です。

タイトルは「Whiteout」。この曲について、上原さんはこのように解説されています。
「その瞬間、全てが真っ白になる。」
「雪がすべての音を吸い込んでいく静寂の世界(中略) 一面真っ白で、少し怖い、何かに静かに迫るものを感じてください————————」
雪景色をテーマに、音のない世界を音で表現しようとした、というこの曲は静かで心地良いメロディーでありながら、じわじわと焦りや恐怖を感じます。雪景色は、美しく綺麗なものだけれど、どこか寂しさ、不安を煽るようなイメージがあります。曲の後半6分頃から、徐々にタッチが強くなりテンポが速くなっていくところがあります。それはじわじわ感じていた恐怖が膨らむ音なのか、それとも真っ白な静寂の先に光を見つけ、それに向かって走っていく音なのか。私はどちらかというと前者のイメージが強いです。

つまり、私にとって“幸せ“とは、「Whiteout」のように一見美しくエモーショナルなものであり、その反面いつか壊れてしまう。雪のように、触れたらすぐに消えてしまう儚いものなのです。そして、「その瞬間、目の前が真っ白になる」 この言葉の通り、幸せを手にしているときは、何が幸せなのか、どこに幸せがあるのかなど全く見えず、分からないのでしょう。私は“幸せ”とは掴み所がなく、過ぎ去ってからそれが“幸せ”であったことに気付くのだと思っています。

17年しか生きていない私ですが、たった17年でも振り返ってみると、あの時は“幸せ”だったな、と感じることがあります。また10年後、20年後、自分の人生を振り返って今が“幸せ”だと言えるように、常にやりたいことに挑戦して、充実した日々を送っていきたいです。

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