あのスティークを切り開き 第7章「Never」
赤いセーターを編み上げ、秋になっても、ルイは変わらず週末はうちの店に来た。編み物はせず、勉強をする。一応、ニットカフェではあるものの、カフェとして使っても何ら問題はなく、また俺の数少ない友達、ということで、ばあちゃんも歓迎してくれている。
ルイの目当てはたっちゃんさんだけではない。と信じたい。勉強中は邪魔しないが、ひと息入れる時は話しかけてくるし、2~3日に一度のたっちゃんさん通信も途切れず続いている。何より、中学校時代ほぼ笑顔を見たことがなかったルイが、俺の前ではふふっ