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Vol.35 新年度!自己紹介というイベント。

新年度がスタート!皆さん、入園・入学・入社、おめでとうございます。
…と書いてみましたが、ほとんど誰も読まねぇ(読んでも記憶に残らない)駄文なので、上記に該当する方は ” ほぼゼロ ” だと思うのですが、まぁ、季節柄ということで、とりあえず書いてみました(笑)。

 さて、上記イベントに進級、異動を加えた『新年度イベント』では、「自己紹介」というのがつきもの!?ですよね。
そして「自己紹介」というフレーズを前にすると「私、人前で喋るの苦手だから~♪」とのたまう方々が多い訳!?ですが、私みたいに吃音(注1)というハンデがあると、「苦手だから~♪」と呑気に言えなくなる訳で。

例えば、自己紹介を促されても
『…………ぅ』といった感じで、なかなか声が出せない。
もしくは、
『えっとあの、えっとあの、えっとあの』といった感じで、なんとか声に出せるフレーズしが喋れない。
もしくは、
『よろしーーーーーーく』といった感じで、言葉の途中で間延びした様にしか喋れない…等々。

ここで(吃音とは無縁の方に)、誤解しないで頂きたいのが「緊張の有無にかかわらず、吃音の症状が出る時は出る、出ない時は出ない」という事。
{※追記(2024年4月5日 0時19分):緊張によって症状が出やすくなる事は否定しませんが「緊張の有無は、症状が現れる原因の全てではない」という事が言いたいのです。}
緊張していてもスラスラ喋れる時は喋れるし、緊張していなくても喋れない時は喋れない(←何せ私は、自宅で家族と一緒にご飯食べる時の「いただきます」が、なかなか言えない事すらありますからね)。
そして、たいていダメな場合は『喋る一瞬前には、硬直しそうな体のシグナルを察知して「あ…ダメだ」と気づいている』

吃音とは無縁の皆さん、想像して下さい。
あなたが喋ろうとする瞬間に、誰かから首を絞められているとしたら?
そして、周りは誰も あなたが首を絞められている事に気づかないとしたら?

必死に喋ろうとするが、首を絞められているので声が出ないとしたら?
そして、周りは誰も あなたが首を絞められている事に気づかないとしたら?

絞める力が、断続的に緩んだ瞬間にしか、声が出ないとしたら?
そして、周りは誰も あなたが首を絞められている事に気づかないとしたら?

やっと振りほどけたと思って喋りだした途中に、また首を絞められたら?
そして、周りは誰も あなたが首を絞められている事に気づかないとしたら?

吃音とは、そういう事なんです。
ちなみに、例え話として「首を絞める」という表現をしていますが、実際は「体全体が圧迫される様な違和感」に襲われているのです。
そして、自らを絞めつけているのも自分自身
(の誤作動)なので、身体的にも(疲労で)ツラいのです。

ちなみに、映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』(注2)冒頭は、吃音に悩む高校生が入学早々に自己紹介をする場面。
上記の事を踏まえて、(アバンタイトルの部分だけでも)一度鑑賞して下さったら幸いです。

※下記は予告編です↓

では、今週も締めの吃音短歌(注3)

学舎(まなびや)で 自己紹介の 順を待つ 断頭台の 王妃みたいに

※なんか今週はネガティブな内容ですみません!

【注釈】

注1)吃音(きつおん)

かつては「吃り(どもり)」とも呼ばれた発話障害の一種。症状としては連発、伸発、難発があり、日本国内では人口の1%程度が吃音とのこと。

注2)映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』

押見修造による同名コミックの実写映画化作品。
” スムーズな発話ができない、高校一年生の大島志乃 ” と、同級生で ” 音楽好きにもかかわらず音痴な岡崎加代 ” の出会いと交流を描いた青春映画。
※なお、『「 ” 症状を持つゆえの特有の問題 ” と捉えてほしくない」という原作者の意向』により、大島志乃の発話障害について「吃音」(もしくは「どもり」)と呼ばれたり、指摘されるセリフは無い。

注3)吃音短歌

筆者のハンディキャップでもある、吃音(きつおん)を題材にして詠んだ短歌。
この中では『「吃音」「どもり」の単語は使用しない』という自分ルールを適用中。

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