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毎年東京都59個分の森林が損失!?SDGs目標15「陸の豊かさも守ろう」|事例や問題点をチェック

今回はSDGs目標15「陸の豊かさも守ろう」をご紹介します★

森林が身近に無いという方も多いかもしれませんが、実はキレイ水や空気、そしておいしい食べ物を育む存在です。しかし、森林が破壊されて続けています。

この記事では、目標15を掘り下げることで陸地の環境についての現状と私たちができること、取り組み事例を見ていきましょう♪

■SDGsとは世界をより良くするための国際目標

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2015年に開催された「持続可能な開発サミット」にて、全会一致で採択された「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ(2030アジェンダ)」。

SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)は、2030アジェンダの要となる国際目標です。

「地球上の誰一人取り残さない」という原則のもと、現代社会の問題を2030年までに解決することを目的に、17の目標と169のターゲットが定められました。

【SDGsに定められている17の目標】
目標1「貧困をなくそう」
目標2「飢餓をゼロに」
目標3「すべての人に健康と福祉を」
目標4「質の高い教育をみんなに 」
・目標5「ジェンダー平等を実現しよう」
・目標6「安全な水とトイレを世界中に」
・目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」
・目標8「働きがいも経済成長も」
・目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」
・目標10「人や国の不平等をなくそう」
・目標11「住み続けられるまちづくりを」
目標12「つくる責任 つかう責任」
・目標13「気候変動に具体的な対策を」
・目標14「海の豊かさを守ろう」
・目標15「陸の豊かさも守ろう」
・目標16「平和と公正をすべての人に」
・目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」

ターゲットは目標毎に設定されている項目のようなもの。目標達成のために何をする必要があるのかがまとめられています。

▼169のターゲット一覧

■SDGs目標15「陸の豊かさも守ろう」ターゲット一覧

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目標15「陸の豊かさも守ろう」は、”陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する”ことを目的に定められました。

この目的は、主に以下の3つのテーマがあります。

【目標15のテーマとは】
・ 森林の管理をして砂漠化を防ぐ
・ 陸地における生態系の保護
・ 土地の環境悪化を防ぎ再生させる

SDGsでは、陸の環境を保全・再生するためには、どんなことが求められているのでしょうか?

目標15のターゲットをご覧ください★

【目標15に定められている12のターゲット】
15.1) 2020年までに、国際協定の下での義務に則って、森林、湿地、山地及び乾燥地をはじめとする陸域生態系と内陸淡水生態系及びそれらのサービスの保全、回復及び持続可能な利用を確保する。

15.2) 2020年までに、あらゆる種類の森林の持続可能な経営の実施を促進し、森林減少を阻止し、劣化した森林を回復し、世界全体で新規植林及び再植林を大幅に増加させる。

15.3) 2030年までに、砂漠化に対処し、砂漠化、干ばつ及び洪水の影響を受けた土地などの劣化した土地と土壌を回復し、土地劣化に荷担しない世界の達成に尽力する。

15.4) 2030年までに持続可能な開発に不可欠な便益をもたらす山地生態系の能力を強化するため、生物多様性を含む山地生態系の保全を確実に行う。

15.5) 自然生息地の劣化を抑制し、生物多様性の損失を阻止し、2020年までに絶滅危惧種を保護し、また絶滅防止するための緊急かつ意味のある対策を講じる。

15.6) 国際合意に基づき、遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分を推進するとともに、遺伝資源への適切なアクセスを推進する。

15.7) 保護の対象となっている動植物種の密猟及び違法取引を撲滅するための緊急対策を講じるとともに、違法な野生生物製品の需要と供給の両面に対処する。

15.8) 2020年までに、外来種の侵入を防止するとともに、これらの種による陸域・海洋生態系への影響を大幅に減少させるための対策を導入し、さらに優先種の駆除または根絶を行う。

15.9) 2020年までに、生態系と生物多様性の価値を、国や地方の計画策定、開発プロセス及び貧困削減のための戦略及び会計に組み込む。

15.a) 生物多様性と生態系の保全と持続的な利用のために、あらゆる資金源からの資金の動員及び大幅な増額を行う。

15.b) 保全や再植林を含む持続可能な森林経営を推進するため、あらゆるレベルのあらゆる供給源から、持続可能な森林経営のための資金の調達と開発途上国への十分なインセンティブ付与のための相当量の資源を動員する。

15.c) 持続的な生計機会を追求するために地域コミュニティの能力向上を図る等、保護種の密猟及び違法な取引に対処するための努力に対する世界的な支援を強化する。

国連の公表している資料を見ると、森林と森林に関係した問題を数値化することができます。

・森林によって生活が支えられている人の数 :16億人
・世界の貧困のうち土地の劣化によって引き起こされる割合:75%
・劣化した土地の割合(2000年~2015年): 20%
・陸上生物種のうち森林に生息する種の割合:80%
・過去25年間での生物種の絶滅リスクの上昇率:10%
・生物多様な陸地(山地以外)における保護区の増加率(2000年~2018年) :39%
・生物多様な陸地(山地)における保護区の増加率(2000年~2018年):36%
・生物多様な陸地(淡水域)における保護区の増加率(2000年~2018年) :42%

(参照:KOBOLOG|SDGs目標15【陸の豊かさも守ろう】企業の取り組み事例で実践的に理解!

次項からは、どんな問題が深刻化しているのかを見ていきましょう。

■目標15が必要な理由①「毎年失われている森林や農地」

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森林は地球上にある面積のおおよろ31%を占めているんだそう。

しかし、JAICAF(国際農林業協働協会)では、「世界森林資源評価 2010」によると、気候変動や人口増加に伴う開墾などで毎年1,300万ヘクタールの森林が失われていると報告しています。

これは東京都の59個分に値する数字!!

1990年代は毎年1,600万ヘクタールが失われていたという報告があることを考えると、森林の消失率は低下しているとも言えますが、それでも多くの森林が地球上から失われているのが現状です。

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森林と同じように深刻化しているのが農地の減少です。

地球上の土地の劣化が進み、干ばつや砂漠化が深刻化。それにより、全世界で1200万ヘクタールの農地が損失しています。

■目標15が必要な理由②「絶滅する生物の増加」

世界は生物多様性によって成り立っている一面があります。

【生物多様性とは】
食物連鎖や農作物を育てるための微生物など、全ての生き物が繋がりを持って生きていること。

生物多様性は、1種類の生物が絶滅することで自然界のバランスを崩してしまう可能性もあるとされているものの、現在、森林減少などに伴い年間4約万種類の生物が絶滅。絶滅危惧種のリストであるレッドリストには3万種類以上の生物が登録されています。

生物の絶滅数は観測を始めた1975年当初は年間1000種類ほど。現代では当時の40倍のスピードで生物が絶滅している計算になります。

■目標15が必要な理由③「森林によって生活が支えられている人の保護」

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森林によって生活を支えられている人は世界に16億人いるとされています。

森林や農地の損失を防ぐことは、そういった人たちを守ることに繋がるほか、私たちの生活の質や食事を維持していく上で重要なことと言えます。

■私たちにできること①「3Rを意識する」

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3Rとは、Reduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル)のことで、頭文字である「R」が3つあるため、まとめて3Rと呼びます。

それぞれの意味は以下の通り!

・Reduce(リデュース)
製品をつくる時に使う資源の量を少なくすることや廃棄物の発生を少なくすること。

・Reuse(リユース)
使用済製品やその部品等を繰り返し使用すること。

・Recycle(リサイクル)
廃棄物等を原材料やエネルギー源として有効利用すること。

3Rの中で特に意識しなければならないのがリサイクル。

リサイクルは、本来ごみとして捨てられるものをリサイクルのために分別する必要があるため、意識して行動を取れるかがポイントとなります。

最近では、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどで、店舗で使用できるポイントを貯めながら楽しくリサイクルできる仕組みも!お得に社会貢献できるので、ぜひお近くの小売店などをチェックしてみてください★

■私たちにできること②「地産地消」

地元で生産されたものを地元で消費することは、地域の活性化はもちろんのこと、輸送に伴う温室効果ガスの削減にも貢献!

地産地消が広まることで、大量生産のための森林開拓や魚介類の乱獲なども抑えられ、結果として、目標15以外にも多くのSDGs目標に貢献するものと考えられています♬

地元で何が生産されているのか探してみると、意外な発見があるかも!?

■私たちにできること③「必要なものを必要な分だけにする」

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日本でも食品ロスが話題になっていますが、日本に限らず、多くの国で大量生産・大量消費・大量廃棄が行われています。

現代はサスティナビリティ(持続可能性)の観点から、こうした商品の在り方が変わりつつある変革期。「必要なものを必要な分だけ」という考えを頭の片隅に入れておくことが大切です。

■UCC上島珈琲によるSDGs目標15取り組み事例

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UCC上島珈琲、JICA(国際協力機構)「ベレテ・ゲラ・フォレスト森林保全プロジェクト」に賛同し、エチオピアにおけるコーヒー豆生産をサポート!

エチオピアは、現金収入を得るために森林を伐採していたことで、1990年には1510万ヘクタールであった森林面積は、2010年には1220万ヘクタールまで減少。環境破壊が懸念されていました。

エチオピアの現状を変えるべくサポートを始めたのがJICA。

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JICAの「ベレテ・ゲラ・フォレスト森林保全プロジェクト」は、森林に自然に発生したコーヒー豆を活かして付加価値型森林コーヒーの輸出・販売を実施することで、森林破壊を食い止め、雇用の創出や住民の生活の質向上を図ることを目的としています。

UCC上島珈琲は、現地を調査と技術指導を開始!エチオピアのコーヒー豆の品質を向上させるための生産管理方法や物流体制を強化しています。

UCC上島コーヒーの取り組みは、自社の成長と社会貢献、森林保護に貢献。

具体的には、目標1「貧困をゼロに」、目標8「働きがいも経済成長も」、目標13「気候変動に具体的な対策を」、目標15「陸の豊かさも守ろう」、目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」に貢献していると言えます。

■SDGs目標15「陸の豊かさも守ろう」まとめ

今回はSDGs目標15「陸の豊かさも守ろう」についてご紹介しました。毎年、東京都59個分の森林が失われ、4万種類の生物が絶滅しているという報告に驚かれた方も多いのではないでしょうか?

(この記事でご紹介した内容)
・SDGsの概要と17の目標一覧
・目標15「陸の豊かさも守ろう」ターゲット一覧
・森林の減少
・生物の絶滅と生物多様性
・森林によって生活が支えられている人の保護
・3Rの内容と注目したいポイント
・地産地消
・「必要なものを必要な分だけ」という意識の大切さ
・UCC上島珈琲のSDGs目標15取り組み事例

冒頭でも触れたように、森林は生物と環境にとって必要な存在です。住まいの近くに森林が無いという方も、ぜひ環境に優しいことを生活に取り入れてみてください★

以上、『毎年東京都59個分の森林が損失!?SDGs目標15「陸の豊かさも守ろう」|事例や問題点をチェック』でした!

▼参考サイト
goddoマガジン|持続可能な開発目標・SDGsの目標15「陸の豊かさも守ろう」のターゲットや現状は?
Edu Town SDGs| 15.陸の豊かさを守る
SDGs JOURNAL|SDGs|目標15 陸の豊かさを守ろう|年間4万種もの生物が絶滅

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