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【0007】カンヌライオンズ2019 SDGs部門

広告業界に働いていながら、カンヌが終わってから知ったのですが、今年のカンヌにはSDGs部門ができていたそうです。(全然知らんかった)
僕も知ったキッカケはつい先日にアップされたこの記事からです。
https://www.sustainablebrands.jp/news/us/detail/1193146_1532.html

カンヌと言えばソーシャルグッド酔いするぐらいソーシャルグッドをテーマにした応募作品が多いという話も聞いたことがあるくらいで、SDGsとは相性が良さそうなんですが、この記事の方(審査員)は、少しSDGsウォッシュなところがあると感じたのか、批判的意見もありますね。
全然見れていなかったので、どんな作品がこのSDGs部門で賞を取っていたのか見てみました。
※Youtubeなどネット上で情報を拾える範囲です。

Grand Prix Winners

【Mars "The Lion's Share" 】

アドタイさんの記事によると

オーストラリアの動物保護基金プログラムの「The Lion’s Share」が受賞。総広告の約20%に使用されているとされる動物だが、動物はその恩恵を得ていない。そこで、国連と設立メンバーのMARSが中心となり、動物の画像を広告で使用した企業にはメディア費の0.5%を保護基金として寄付してもらうというプログラムをつくった。既に約12億円もの寄付が集まり、乱獲からの保護や絶滅危惧種や野生動物生息地の保全などの活動に使用されることになっており、持続可能なプログラムとして評価を得た。

とのこと。MARSという企業はスニッカーズやm&m’sを販売している会社とのことで、そこが主導してこのプログラムを作ってるというのは、「え?そんな会社がこれやってるの!?」という意外さがありました。
ムービーを見たところ、この部門はクリエイティビティ(映像や平面という意味での)という点よりも、実際にやっている内容自体を審査しているのかもしれませんね。ほぼおじさんのレポートシーンっていうプレゼンムービー、初めて見たかもしれませんw

Gold

【Google "Morse code for Google’s gboard"】
手足を自由に動かすことのできない人とグーグルが開発した、モールス信号を使ってグーグルに文字を読み込ませ、音声に変換し、会話ができる技術。
サイトを見ていると、その後、様々な人たちの、モールス信号キーボードを活用したゲームやアプリの開発にもつながっているようです。


【STREET GRACE "GRACIE A.I."】
Street Graceは人身売買を防止するための活動組織で、そこが企画したAI。
(全然英語が聞き取れなく、、誰か内容がわかったら訳してほしい。。)
本当の人身売買(性的な)のテキストチャットのやり取りのデータを機械学習させたAIでGRACIEという仮想の女性を作ったのかな?AIが自動で応答するけど、そういう会話を続けていくと「会話はすべて記録されており、警察に送られます」と表示されるものを作ったような感じでしょうか。


【THE MILLENNIUM SCHOOL "THE OPEN DOOR PROJECT"】
こちらも英語が聞き取れず、理解できてないところ多しですが、The Millennium Schoolという学校が中心となって放課後の学校をスラム近隣などに住む貧困層の子どもたち向けに学校を解放して教育を受けてもらうプロジェクトだと思います。たくさんの学校とNGOの連携によって、2500万人以上の子どもたちにこのプロジェクトを体験してもらったとのこと。
思いつきはするけど、ここまでの規模で実現してる例はないだろうなと思いますが、これは「その気になれば他の国でもやれるでしょ?」という拡張性(スケーラビリティ)の高さも評価されているポイントとのこと。

以上がグランプリからゴールドまで。シルバーやブロンズはまたどこかの機会に見ておきたいと思いますが、この部門の特徴として、
【誰にもマネできないクリエイティビティより、世界に広がる拡張性】
【SDGsウォッシュじゃなく、本当にちゃんとやってる】
というところが他の部門よりもより一層意識されているように思いました。

本日の気づき・学び

カンヌの中でもこの部門への注目度はそれほど高くないかもしれない(日本企業の受賞がなかったからかな?)。という気持ちと、他に賞を取っているものや紹介される中には相変わらずソーシャルグッドなものはやっぱり多いなという状況には、なんだかギャップがあるなー。と思ったのと、
冒頭紹介したThomas Kolsterさんの記事にもあるんですが、広告業界はまだまだSDGsを”利用”することで、企業イメージをどう良くするかというところで止まっていて、本質的にSDGsの目指す世界に向き合えているとは言えない状態なのかもしれないです。まだまだ収益構造的にどうしてもそういう志向になってしまう部分もあると思うので、これもSDGsが掲げている”Transforming”をどう本業で実現できるか。ということなのかもしれません。

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