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THE HEART OF BUSINESS


はじめに - みんなの読書コーナーについて

 SDGsスタートアップ研究会のnoteでは様々な情報発信を試みておりますが、SDGsの17の目標の中の8番目の項目に「働きがいも経済成長も」という項目があります。生成AIの登場により働き方、働きがいも大きく変化しています。そんな変化の中ではリスキリングは欠かせない要素だと思いますが、リスキリングという言葉には何か圧力のようなものを感じます。でも、本来学びは自分で選び取っていく側面があるのではないでしょうか?
 そんな自発的な学びには読書は欠かせない一つの手段と思っています。そこで本コーナーでは、できる限りネタバレを防ぎつつ、紹介された書籍に興味を抱いていただき、読書を通じた学びのきっかけを提供できないかというチャレンジをしたいと思っています。
 「みんなの読書」コーナー第一回目の書籍紹介は THE HEART OF BUSINESS を紹介します。書籍の著者はユーベル・ジョリーという元ベスト・バイCEOです。紹介者は2023年時点でSDGsスタートアップ研究会での活動2年目の中です。

THE HEART OF BUSINESS

 それでは、早速書籍紹介に移ります。

 みなさん、企業経営や組織運営において一番大切なものは何ですか?と問われて、何と答えるでしょうか?

  • 企業は営利組織なんだから利益!

  • 何はともあれ、市場シェア!

  • 株式会社においては株主なので、株主への配当金!

 ビジネスに敏感な読者の方々からは、こんな答えが出てくるのではないでしょうか。今の日本において、企業経営は損益計算書、バランスシート、キャッシュフロー計算書で語られており、その中からは上記のような視点ばかり生まれてくるのでは?と思いますが、本書を読んだ私は、迷いなく「人」と答えることができます。

 株主至上主義が席巻した2000年代以降、企業経営において利益が業績を図る指標であり、人は経費、つまりコストという考え方がますます強まったと感じています。この考え方に皆さん、何か嫌な気持ちを抱かないでしょうか?企業や組織はモノでしょうか?実態はたくさんの人達によって動かされています。なのに、人はコストなのでしょうか?

 このような違和感を抱いている方がいらっしゃれば、せひ、本書を手に取っていただきたいと思います。

結び

 本書の中では、ベスト・バイの再建を通じて「人を大切にする」という当たり前、かつ、見過ごされてきたかもしれないことに真剣に取り組んできたユーベル・ジョリーの経営哲学の一端を見ることができます。従業員、顧客、取引先、地域コミュニティを中心としながら投資家へのリターンも実現する、どのステークホルダも蔑ろにしない、新しいビジネスリーダー像が描かれています。私は本書を読むことで、資本主義を通じたビジネスの世界の中に一筋の光を見た、と感じました。

 そろそろ興味が出てきたかもしれない読者の方には是非本書を手に取っていただき、変化の激しい時代における新たなビジネスリーダー(Purpose-full Leader )のあり方に考えを巡らせて頂ければ幸いです。


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