[小ネタ] 行政書士試験 正解肢の傾向分析
2023年度の行政書士試験を受験する前にふと思ったことがありました。それは、
『行政書士の五肢択一では果たして①〜⑤の何番が正解肢であることが多いのか』
ということ。
※以下選択肢の番号を①〜⑤で記載します。
私は予備校を使っていないので、もしかしたら予備校ご利用者には周知の事実かもしれませんが、勉強の息抜きで調べてみました。くだらない内容とも思いますが調査結果を公表します。
調査範囲
調査範囲は行政書士試験研究センターにて公表している平成27年度から令和4年度までの五肢択一問題としました。五肢択一問題にも
単純正誤問題:正しいものを1つ選ぶ、または誤っているものを1つ選ぶ問題
正誤組合せ問題:正しいものの組合せを選ぶ、または誤っているものの組合せを選ぶ問題
表問題:選択肢①〜⑤で、1〜4の空欄に当てはまる語句を選ばせる問題のように、見かけ上表形式のようになっている問題
順序問題:ア→イ→ウ→エ→オ のように正しい順番を選ぶ問題
のように複数の形式があります (私が勝手にネーミング&分類してみました)。著作権に配慮して公表されていない問題についても上の分類を調べ、分類ごとに傾向を確認していきました。多肢選択問題と記述問題は調査対象外とします。
目視確認で集計したので、数値に誤りがあるかもしれません。予めご容赦ください。
五肢択一問題全体
各年で見ると正解肢の出現数は大差ないように見えますが、8年間を合計すると、正解肢⑤が多く、正解肢①が少ないことがわかります。最後の選択肢までじっくり読ませたいという出題者の意思が見え隠れしているように思います。
令和4年度の正解肢
①:12個、②:10個、③:9個、④:11個、⑤:12個令和3年度の正解肢
①:8個、②:10個、③:13個、④:12個、⑤:11個令和2年度の正解肢
①:11個、②:10個、③:12個、④:10個、⑤:11個令和元年度の正解肢
①:10個、②:10個、③:10個、④:10個、⑤:13個平成30年度の正解肢
①:10個、②:13個、③:9個、④:10個、⑤:11個平成29年度の正解肢
①:10個、②:11個、③:11個、④:10個、⑤:12個平成28年度の正解肢
①:9個、②:12個、③:11個、④:10個、⑤:12個平成27年度の正解肢
①:9個、②:11個、③:11個、④:11個、⑤:11個令和4年度〜平成27年度の正解肢合計
①:79個、②:87個、③:86個、④:84個、⑤:93個
単純正誤問題
単純正誤問題では正解肢⑤③が多く、正解肢①②④が少ないことがわかります。こちらでも最後の選択肢までじっくり読ませたいという出題者の意思が見え隠れしているように思います。正解肢④が少なめであることは以外でした。
令和4年度の正解肢
①:9個、②:8個、③:5個、④:6個、⑤:9個令和3年度の正解肢
①:2個、②:4個、③:7個、④:9個、⑤:7個令和2年度の正解肢
①:5個、②:8個、③:5個、④:2個、⑤:10個令和元年度の正解肢
①:5個、②:4個、③:9個、④:6個、⑤:5個平成30年度の正解肢
①:6個、②:2個、③:6個、④:7個、⑤:8個平成29年度の正解肢
①:5個、②:5個、③:9個、④:6個、⑤:7個平成28年度の正解肢
①:5個、②:8個、③:9個、④:5個、⑤:7個平成27年度の正解肢
①:7個、②:8個、③:8個、④:5個、⑤:8個令和4年度〜平成27年度の正解肢合計
①:44個、②:47個、③:58個、④:46個、⑤:61個
正誤組合せ問題
正誤組合せ問題では、正解肢②④の出現数が突出していました。回答者が問題を解く過程ですべての選択肢を読むことを想定しているためか、また五肢択一問題全体として正解肢のバランスをとった結果として、正解肢②④が多く見られるものと考えています。
令和4年度の正解肢
①:2個、②:1個、③:3個、④:3個、⑤:1個令和3年度の正解肢
①:5個、②:5個、③:3個、④:1個、⑤:1個令和2年度の正解肢
①:3個、②:1個、③:6個、④:7個、⑤:1個令和元年度の正解肢
①:3個、②:4個、③:0個、④:4個、⑤:6個平成30年度の正解肢
①:3個、②:8個、③:1個、④:3個、⑤:3個平成29年度の正解肢
①:1個、②:5個、③:0個、④:3個、⑤:1個平成28年度の正解肢
①:3個、②:3個、③:1個、④:3個、⑤:5個平成27年度の正解肢
①:1個、②:1個、③:3個、④:3個、⑤:1個令和4年度〜平成27年度の正解肢合計
①:21個、②:28個、③:17個、④:27個、⑤:19個
表問題・順序問題
表問題と順序問題は出題数自体が少ないため、表問題と順序問題は一緒に集計しました。それでもデータ数が少なすぎなのですが、なんとこちらの集計では正解肢①が多く、次いで正解肢⑤でした。
令和4年度の正解肢
①:1個、②:1個、③:1個、④:2個、⑤:2個令和3年度の正解肢
①:1個、②:1個、③:3個、④:1個、⑤:3個令和2年度の正解肢
①:3個、②:1個、③:1個、④:1個、⑤:0個令和元年度の正解肢
①:2個、②:2個、③:1個、④:0個、⑤:2個平成30年度の正解肢
①:1個、②:3個、③:2個、④:0個、⑤:0個平成29年度の正解肢
①:4個、②:1個、③:2個、④:1個、⑤:4個平成28年度の正解肢
①:1個、②:1個、③:1個、④:2個、⑤:0個平成27年度の正解肢
①:1個、②:2個、③:0個、④:3個、⑤:2個令和4年度〜平成27年度の正解肢合計
①:14個、②:12個、③:11個、④:10個、⑤:13個
まとめと考察
たった8年分でしかないのでデータに乏しく、単に小ネタとして見て頂きたいですが、
五肢択一問題全体としては、正解肢⑤の出現が多い
単純正誤問題としては正解肢⑤③の出現が多い
正誤組合せ問題としては正解肢②④の出現が多い
表問題・順序問題としては正解肢①⑤の出現が多い
という偏りのある結果となりました。この結果からの妄想ですが、正解肢の配置はランダムではなく、単純正誤問題では意図的に正解肢が⑤に置かれるケースがあり、他の形式の問題で各正解肢の出現バランスを調整、しかし経年でみると正解肢の出現に偏りが出てしまっているのかな、と考えています。
とはいえ、本試験で通用するほど偏りが大きいわけでもなく、小ネタ程度に留めて過信しないようご注意ください。私も受験前にこのことを知っていても実践できる程の度胸はありませんでしたし、実際その余裕もありませんでした。
予備校発表の難易度と正解肢の相関を調べるのもおもしろいかもしれません。
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