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【タイムレンジャー】第23話~第24話


Case File.23「ビートアップ」

 今回は夏祭りの運営を請け負った竜也とトゥモローリサーチ。自分の手で取ってきた仕事を成功させるべく、大張り切りの竜也である。そのせいで(知らなかったとはいえ)後先考えずにエネルギー窃盗犯・ウーゴに斬りかかり、自分もダメージを負った上に、ウーゴが大爆発を引き起こしかねないトリガーまで引いてしまった。さらに、自力でつかんだ仕事だと思っていた今回の夏祭り運営が、実は父親の息のかかったものだったと知り、これはいくらポジティブな竜也であっても落ち込もうというもの。
 そんな竜也に道を示すのは、意外にも今回の依頼人である山下社長だ。元は父の秘書だったという社長は、めちゃくちゃになった夏祭り会場で竜也に語り掛ける。曰く、大切なのは出会い方ではなく、その後どんな信頼関係を築いていくかである……と。仕事の発注が誰かの意図によるものであっても、その仕事をきちんとやりおおせるかどうかは受注した者次第である。誠実に仕事を成功させれば、今度は第三者を通さない直接のつながりとして縁は続いていくだろうし、逆に仕事がおざなりであれば、この縁はこれっきりだ。
 シリーズを最後まで完走した目でこの台詞を見返すと、竜也と他の面々との関係性にも当てはまりそうな気がしてくる。出会いが偶然であれ、必然であれ、一緒に走って来た時間は他の何にも代えられないし、その中で育まれた絆は揺るがないのである。


Case File.24「黄色、時々青」

 アヤセとホナミ、ドライブデートするの巻。ただし相変わらずホナミの勘違いは健在で、アヤセのことをタイムイエローだと思い込み、色々思わせぶりな発言で気を惹こうとする様子がいじらしい。アヤセもアヤセでホナミのことをドモンの熱心なファンだと理解しているため、無下にも出来ないが積極的に話しかけてやるほどでもないという微妙な雰囲気。そのまま何事もなくホナミを家まで送り届けられれば良かったのだが、そうは問屋が卸さない。二人の乗ったクルマは道中でロンダーズ囚人の傷害犯・ボーグに遭遇、破壊されてしまう。アヤセは足を挫いたホナミを連れて、やむなく逃避行をする羽目に。
 アヤセがクロノチェンジャーを落としたり、ドモンがその場へ一番に駆け付けてきたりなど、運命のいたずらが重なった結果、目の前で戦闘が繰り広げられてもなおホナミの誤解は解けずじまいである。すれ違いは恋愛のスパイスというが、ここまで盛大にすれ違われては味付けも何もあるまい。ただ、外見に大いに翻弄されながらも、水面下ではメールのやり取りを通して着実に絆を育んでいるのがよい。内面的な部分の交流がきちんとなされているのは救いであるなあ。

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