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【ニンニンジャー】第9話~第12話

忍びの9「忍術VS魔法、大バトル!」

 スターニンジャー登場回にして八雲のマミー登場回でもある9話。旋風以外の親世代が出てくるのは初である。天晴たちと八雲がいとこということは、当然旋風と八雲母=春風は姉弟ということになる。この母にしてこの子ありというか、春風は八雲に輪をかけたゴーイングマイウェイで、旋風も幼少時より散々やり込められていた様子。
 今回の妖怪は魔法の絨毯製イッタンモメン。絨毯の模様を生かした真っ赤なローブに身を包み、まるで魔法使いの出で立ちである。立ち姿がえらくオシャレでとても気に入ったのだが、付け焼刃の言葉で調子に乗って褒めたらだいぶ見当違いになってしまった。ゴブラン織りというよりアラビアンな絨毯だし、編み上げというよりは太い糸で飾り縫いのようにパーツを縫い合わせた感じのデザインである。イッタンモメンのデザインが素敵なのは変わりないが、知ったかぶりはよくない。猛省。

 アメリカ仕込みの機動力で敵を翻弄するロデオマル。テキサスの荒くれ妖怪と渡り合うにはやはり足腰が重要なのかもしれぬ。


忍びの10「ヒーハー!金色のスターニンジャー」

 仮面ライダーシノビ、『ジオウ』に出てきた時は思わずにんまりしてしまった。6人もいるニンニンジャーの中から何故一番型破りなキャラをチョイスしたのか。だがそこがいい。
 というわけで、3高を兼ね備えた男キンジ・タキガワ、晴れがましくも登場である。ちなみにここで言う3高とは高身長・高火力・高声調(ヒーハー!)を示す。タッパのおかげでエンディングダンスも一つ一つのフリが大きく、隣の風花と合わせてそこだけ異様にキレッキレなのが微笑ましい。
 さて、祖父のおでん屋台が何者かに襲われるところから話はスタートする。下手人を炙り出すため天晴達は思い思いの格好で張り込みへ。犯人の目的が好天への攻撃だとすれば、好天の孫がこれ見よがしにおでん屋台を引いているのはこの上ない挑発となるわけだ。

 好天は天晴達にとっては祖父だが、旋風にとってもたったひとりの父親である。取り立てて仲がいいというわけでもないのだろうが、やはりその身に何かあれば、共に過ごした年月が長い分大きく動揺してしまうのは仕方のない事だ。好天の敵を討とうといきり立つ子どもたちを、しかし旋風は諫める。忍術を復讐に使ってはいけないというのがその理由だ。
 忍術のみならず、強い力による復讐が必ずしも良い結果を生まないことは数々の物語が我々に示している通りであるが、旋風は復讐すること自体について反対をしているわけではない。ラストニンジャになるため修練して磨いてきた己の忍タリティを、復讐などというネガティブな動機で曇らせることに反対しているのだ。
 己は忍術を使えず、代わりに子どもたちにそれを教えてきた旋風。忍術は天晴達の武器であると同時に、旋風にとっての夢でもある。そしておそらく好天にとっても、伊賀崎流の忍術は大切に受け継がせるべき宝であろう。凛々しいお言葉、ご尤も。

 特撮ソングというとOP・EDばかりがフィーチャーされがちだが、挿入歌だって素晴らしい。スターニンジャーのイメソンはダジャレみたいな言葉遊びも込みでかっこよく、戦闘シーンをぐんぐん盛り上げる。
 見た目は西部劇だが中身はロックンロールなスターニンジャーとロデオマルたち。なんなら携帯電話はハンバーガーだし、この雑多な感じがいかにも「ぼくの考えた最強のアメリカ」なのだ。どこを切り取っても出身地をアピールしてくる押しの強さ。観光大使とか向いてるんではなかろうか。

 ひとりぼっちは寂しいもんな……。


忍びの11「シノビマル、カムバーック!」

 シノビマルのかわいさが存分に発揮される回。ただでさえかわいいシノビマルなのに、ちょっとこれは反則である。キカイの身体で指をもじもじさせる姿のかわいさはマジーヌ後輩が身体を張って一年間発信し続けてくれていたわけだが、シノビマルの大きな図体でもじもじしているのはまた別種の愛嬌がある。
 欧米コンビは「easy」の発音でいがみ合う。イギリス英語とアメリカ英語は発音の仕方がだいぶ違うと聞くが、どちらが正しいというわけでもないし、議論は平行線で終わりそう。

 よいこのみんなが真似しないよう、服は着たままで踊りまくる八雲と霞。息ぴったりだしだいぶ手慣れているが、忍者の修行にはダンスのレッスンもあるのだろうか。エヴァに乗るにはエアロビをせねばならぬとも聞く。踊り続ける持久力と音楽に耳を澄ます集中力、周囲と動きを合わせる観察力に応用力が求められ、案外忍術修行にも役立つのかもしれない。

 他のメンバーがいなくてもひとりで「ワッショイ」している八雲、もはや骨の髄までニンニンジャーが染みついていると言っても過言ではない。


忍びの12「最強決戦!奇跡の合体」

 蛾眉殿、華々しく散る。自らの敗北を知り、今までさんざん「赤いの」と呼ばわってきた天晴のことを、彼は初めて「伊賀崎天晴」とフルネームで呼ぶ。「ニンニンジャーのうちのひとり」扱いではなく、単独の好敵手として天晴を認めたからこその呼びかけだ。といって完全にデレたわけではなく、仲間と一緒にキングシュリケンジンに乗り込んでいる天晴に対してはまた「赤いの」と呼ばわったりもする。巨大化してしまった以上ニンニンジャー側も力を合わせて戦うほかなく、チームの一部としての天晴は、やっぱり蛾眉殿にとっては「赤いの」なのである。

 仲間の剣を呼び出してぶつける奴、『セイバー』ではかなり終盤で使っていたが、アカニンジャーともなるとワンクールで使いこなすから侮れない。さすがはリアル親族、阿吽の練度が違う。

 手狭に見える操縦室だが、忍ばず暴れるくらいの広さはあったようでなにより。人型の形態をとっている都合上、シノビマルとロデオマルが二人乗り状態になっているが、いざというとき分離することを考えると、下手に変形して内部に組み込まれるよりは却って小回りが利くのかもしれぬ。

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