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【牙狼】炎の刻印 第1話~第12話

承前

 前回の配信が終わり、またしばらく東映漬けに戻っていたところ、公式ツイッターに動き有り。曰く、次の牙狼の配信はアニメだという。
 特撮作品のアニメと言えば「イマジンあにめ」(少し見た)と「ザ☆ウルトラマン」(見てない)くらいしか知らない当方である。勝手がわからないまま試しに再生してみると、今まで見てきた実写の「牙狼」とはだいぶ趣が違うものの、OPもオシャレだしEDもカッコイイ。そして相変わらず一瞬で耳に焼き付くJAMproject!
 というわけで、まんまと視聴しています。「シリーズ構成:小林靖子」からにじみ出る信頼感が心強い。


Ⅰ「業火-HELL FIRE-」

 さっくり心を掴まれた。『牙狼』シリーズの無重力アクションは確かにアニメと相性が良い。


Ⅱ「刻印-DIVINE FLAME-」

 実写シリーズとアニメシリーズでの、魔戒騎士に関するルールの違いを少しずつ理解し始める。舞台があれだけ違うのだから、確かにその他の点も変わっていて当たり前と思うべきだろう。此方の常識が彼方の常識とは限らない。


Ⅲ「契約-ZARUBA-」

 ああ懐かしのザルバ。旅先で同胞の人間に出会ったような、不思議な安心感がある。


Ⅳ「儀式-BLOODVILLE-」

 男手ひとつで育てたはずなのに、どうしてこうもお食事仕草に差が出てくるのか。もともとの性格の違いなのか。ヘルマンが美しい女性を前にだらしなくなっている、という可能性もないではないが……。

 アニメと実写はルールが違う、とさっき感じたばかりだが、このあたりの線引きはどちらにも共通しているように見える。「魔戒騎士」の根幹、「守りし者」としての絶対的な大原則がここなのかも。


Ⅴ「堅陣-GAIA-」

 伯の幼い我が子が……なんていうのはさすがに妄想が過ぎるか。

 ナレーター(ストーカー)が師匠になるといえば機動武闘伝Gガンダム。とはいえ、こちらの師匠には裏はなさそう。
 余談だが、「けんじんきし」を「賢人騎士」としばらく思い込んでいた。教え導く者である、という視点からの勘違い。


Ⅵ「騎士-BLACK KNIGHT-」

 アルフォンソは自分の国をホラーやメンドーサなどの外敵から守ることを第一義としているが、外政も内政も国の運営には欠かせないものである。といっても、この貧富の差の原因がメンドーサの軍費増強にあるのであれば、それを排除することでいずれ国の底力は回復していくと考えてもよいのかも。

 親方にとってフリオは息子の代替であったかもしれないが、フリオにとって親方はただ一人の身内なのだ。どんな悲しい分かれ方をしたとしても、それまでの思い出の全てが汚されるわけではない。


Ⅶ「人狼-SORROW BEAST-」

 ノースリーブはね、動揺しましたよね……。

 魔戒騎士や魔戒法師は人間を害せないのだから、人間の兵士をさし向けてじわじわ追い詰めるのが長い目で見れば確実であるはずなのだが、それでは時間がかかりすぎるし取り逃がす確率も高い。ひと一人捕まえるならば、敢えて身体能力が高く命令に忠実なホラー兵を活用するのも一手。

 どこまでが真実でどこまでが誠か、まさに夢見るような雰囲気の回であった。しかしまさか、ヘルマンのその格好が次回へのフリだとは思わないじゃないですか……


Ⅷ「全裸-FULL MONTY-」

 その格好で真面目な話を出来るハートの強さ、流石魔戒騎士に魔戒法師である。常人には真似できない。火傷しちゃう。


Ⅸ「師弟-NEW HOPE-」

 番犬所、凶悪ホラー「キマイラ」を把握できているようでいて実は全然手に負えていない疑惑。魔女狩りでだいぶ手勢の人数も減っただろうし、仕方ない部分もあるか。

 持てる力の全てを見せつけるような、圧倒的な戦いぶりであった。端的に言ってめちゃくちゃかっこよく、これで一安心と思ったのもつかの間。
 それでも最期の瞬間まで堂々たる雰囲気を保ち続けたのは、流石歴戦の騎士であった。R.I.P。

 自分も魔戒騎士になったとはいえ、何度も父母から聞かされてきた「光の騎士」はまた特別な存在であろう。


Ⅹ「破戒-FALLEN BLOOD-」

 アルフォンソの伯父上呼び、確かに正しいのだがちょっと面白くなってしまう不思議。「王子様の伯父上」というだけで、なんだかヘルマンが由緒正しき立派な大人に見えてくることであるなあ。

「あくまでもホラーを狩る者」という線引きはここでもきっちり守られている。ルールを守り違反者を断罪する側としては当然と言えば当然だが、命を奪わぬ罰は時として死刑より厳しい。

 メンドーサの魔戒騎士への蔑みは、ない物ねだりのようにも見えなくもない。だが、成り行きとはいえ得た我が子を手にかけた時点で、メンドーサはすでに己の血筋を後世へ残すことをきっぱり諦めたのではないか。愛情よりも恥辱こそが、彼を突き動かす源となる。
 見渡す限りずらりと並ぶ人間ジューサーことアイアンメイデン、中身は一体どこから調達してきているのだろうか。黒の騎士団のホラーたちは志願兵たちの成れの果てだが、そこで不合格となった者の一部が使われるのか? まさか貧民街から攫ってきているようなことはないと思いたいが……。


Ⅺ「絶影-SHADOW SLASHER-」

 ただしその剣は、ベルナルドの死と同時に土くれの様に崩れ落ちてしまった。たとえ死の淵で彼の魂が救われても、彼の犯したルール違反自体が無かったことになるわけではないのだ。

 誰よりも過去にとらわれているメンドーサがそれを言うのが皮肉でもある。召喚したホラーで国を蹂躙し、魔戒騎士や魔戒法師を根絶やしにしたとき、メンドーサは影の王として君臨する。その時初めて彼は過去を克服できるのかもしれないし、あるいはそれでもなお、自らの肌に刻まれた呪いを苛みながら生き続けなければいけないのかもしれない。


Ⅻ「暁月-BLOOD MOON-」

 レオンの心が不安定であることは、1話から今まで再三語られてきたとおりである。青年が本物の魔戒騎士になるためには、1クールではまだ足りないということか。

 完全に光と闇に道をたがえたような従兄弟たち。一見アルフォンソはこれからずっと華々しく、レオンは谷底で俯くほかないような状況であるが、しかしオープニングにおいて鬼気迫る表情で叫んでいるアルフォンソを見ると、まだ何か一波乱あるのではないかという感じがひしひしと。

 余談。12話のおしりについていた次回予告(実写鍋パーティー)、ちょっと楽しみにしていたのだが配信はなさそうで残念。

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