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【GS翔】第18話~第20話


第18話「闇」

 アミリの魔鏡の中にとらわれてしまった流牙は、しかしそこでさらなる力を手に入れる。それはどこかから借りてきたり、与えられたものではない。もともと彼の中にあった闇を流牙自身が受け入れたことで、清濁併せ呑む新たな黄金騎士が誕生したのだ。

 アミリとジンガは相思相愛のように見えて、常にアミリの方がジンガを追っているようにも見える。ともに対等である流牙・莉杏ペアや、前衛と後衛にはっきり役割分担しているガルド・ハルナ兄妹に比べると、どうしてもいびつな感じ。


第19話「心」

 莉杏に攻撃を加え、消えたジンガ。彼はいま傷ついた己の肉体を捨て、莉杏の心に土足で入り込んでいる。目的は彼女の肉体を用いて蘇ること。本当は流牙を狙って繰り出した術だったが、咄嗟に莉杏が庇ったのだ。しかし、ある意味ではそれはジンガにとって幸運なことだった。すでに己の心と向き合った流牙とは異なり、莉杏の胸の奥にはまだ受け入れがたい感情が存在している。

 守りし者である以前に自分たちは人間である、と流牙は吠える。さきに自分の弱さと向き合い、莉杏の声によって再び自信を取り戻した流牙だからこそできる宣言だ。魔戒騎士・法師であるがゆえに人間性を捨てなくてはならない、などと流牙は考えない(もちろん人間を超越したリュメ様のような存在はいるが、それは話が別だ)。誰もが迷い、望み、生きていたいと願う。自分のそれを受け止め、相手のそれを受け入れることで、「守りたい」という気持ちはさらに強くなる。


第20話「泉」

 流牙の心からの言葉によって、自分の「弱くて狡くて汚い」部分を受け入れる覚悟をした莉杏。入り込んだジンガを自分の汚さの一部とみなし、それを許容することで、彼女は心の制御権を取り返す。だがそれも内面世界だけのこと、莉杏の肉体は未だ思うように起き上がれずにいる。

 本来は魔道具を浄化するための泉を呼び出し、その水の清らかさによって莉杏とジンガを引きはがそうとするリュメ様たち。もちろん人間用に組まれている術ではないので、首尾よくジンガを消せたとしても、その後の莉杏がどうなるかはわからない。
 リュメ様の提案を聞き、真っ先に反対したのがガルドだ。同じ魔戒法師仲間としてすっかり莉杏を認め、尊敬している彼は、莉杏の命を奪いかねないその術を激しく拒む。最初はあんなに強がっていたのに、よくまあこんなに丸くなって……。「一族郎等が皆殺しにされてガルドとハルナだけが生き残った」という彼の出自を思っても、やはり目の前でみすみす仲間が死にかねないような状況は許容できないのだろう。
 だが最終的に、流牙はリュメ様の言う泉を使う決心をする。このまま手をこまねいていては、いずれジンガが再び力を取り戻しかねない。莉杏を助けたいのはもちろんだが、その莉杏の夢見る平和な世界をもたらすためにも、個々で確実にジンガを叩いておかなければならない。

 儀式の完了間近、乗り込んできたアミリは莉杏の身体を攫い、くちづける。アミリの肉体は激しく変化をはじめ、数瞬の内にその姿を変える。燃え上がるような銀髪と傲慢な笑み。莉杏の身体を抜け出で、アミリと一体化することにより、ジンガは再び復活したのであった。倒しても倒してもキリがないなこのラスボス……!

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