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川を辿ったら何があるのか

最近、急に暑くなった。 夏の香り、湿った空気と塩素や花たちだろうか、例え難い独特な空気が広がっている。 それを感じてからというもの、夏の思い出をいくつか思い出した。 中学校の吹奏楽部で出場した吹奏楽コンクール、片想いしていた後輩のこと、初めてできた恋人に振られた高校時代、友だちと2人で飲んだ夜の愚痴、なんだかんだで夏が一番思い出深い季節だと思う。 そして記憶に無い、理想、あるいは空想の夏というのもある。 私がかつて願い、もう二度と叶うことのない事象。 過去が上流、空想が対

    • 幻想の響き

      お経が聞こえる。 声は一定のトーンとリズムで、言葉と言葉の区切りとして間を挟んでいる。 お経というのは日本語らしからぬもので、ある種詠唱のようにも感じる。 外の音が遠ざかる。眠気が強いせいもあるのだろうか。 次第にお経は複製されて繰り返され重なっていく。 そして別な音が近づいてきた。あるいはこちらが近づいているのかもしれない。 ふと風を感じ目を開けると、そこには幻想的な極彩色の景色が広がっていた。桃と黄色に咲く花と草木の緑、水は青に輝いている。 穏やかな風に揺られなが

    川を辿ったら何があるのか