川を辿ったら何があるのか

最近、急に暑くなった。
夏の香り、湿った空気と塩素や花たちだろうか、例え難い独特な空気が広がっている。

それを感じてからというもの、夏の思い出をいくつか思い出した。
中学校の吹奏楽部で出場した吹奏楽コンクール、片想いしていた後輩のこと、初めてできた恋人に振られた高校時代、友だちと2人で飲んだ夜の愚痴、なんだかんだで夏が一番思い出深い季節だと思う。
そして記憶に無い、理想、あるいは空想の夏というのもある。
私がかつて願い、もう二度と叶うことのない事象。

過去が上流、空想が対岸だとしたら、下流には何があるのだろうか。
流れゆく先には何があるのか。幸せに満ちた思い出なのか、あるいは欲望に飲み込まれた後の惨事か、はたまたもう存在しないのか。

どれにしたって、夏の空気はあったら鬱陶しく無いと寂しいものだと思う。

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夏の思い出

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